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2001/08/24

<韓国文化>現代美術の可能性表現

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    人の動きのビデオ・インスタレーション(カン・ソウォン)

 現代美術の祭典「横浜トリエンナーレ2001」(国際交流基金、横浜市など主催)が、9月2日から横浜市内の各展示場で行われる。韓国、日本など世界各国から絵画、彫刻、写真、映画、インスタレーションをはじめ多彩な新作がそろう。横浜で初の開催となる国際色豊かなイベントだ。

 「横浜トリエンナーレ2001」のタイトルは「メガ・ウェイブ―新たな総合に向けて」。世界の最先端の美術動向を紹介するとともに、芸術と社会を結ぶ新たな総合的ビジョンを横浜から提示するという意味で付けられた。

 河本信治・京都国立近代美術館主任研究官、建畠晢・多摩美術大学教授ら4人のアーティスティック・ディレクターが世界各地を調査して選出した38カ国110人のアーティストが参加し、9月2日から11月11日までの2カ月間に渡って、市内の主要施設で展示される。

 韓国から参加するのはチェ・ジョンファ、ハム・キュン、ク・チョンア、カン・ソウォン、パク・イソの5人。パク・イソは多様な素材を使った建築的インスタレーションを多く制作。アジアの各都市が直面している文化の均質化や近代性の崩壊を描いてきた。

 チェ・ジョンファは韓国を代表するポップ・アーティスト。韓国で縁起がいいとされる豚や花をバルーンの作品にして、数々の展覧会で強い印象を残している。

 ハム・キュンはアジア各都市で黄色い服を着た市民をチェイシング(追跡)し、それをビデオに記録するユニークなプロジェクト「チェイシング・イエロー」を試みている。ドキュメント・フィルムともビデオ・アートとも異なった独自の作品を作り上げている。

 ク・チョンアは、町中で拾ったものやすぐに買い求められるものを使ったインスタレーションを紹介。

 カン・ソウォンは体操選手の演技や廊下を歩く人などの映像と、人体の動きの輪郭線をコンピュータでシミュレーションした映像を重ね合わせたビデオ作品を制作、人間の身体と空間の関係性を生々しく表現している。

 横浜トリエンナーレは9月2日から11月11日まで、パシフィコ横浜展示ホールをメイン会場に市内6会場で開催。9月2日午後1時からオープニング記念シンポジウム「メガ・ウェイブをめぐって」あり。入場料は前売り一般1700円、大高生1300円。当日一般2000円、大高生1200円。℡03・3272・8600。