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2001/03/30

<韓国文化>韓国の人気ベストテン

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 韓国の音楽、書籍、映画のベストテンは――。音楽は日本大衆文化の開放進展で日本の楽曲が形を変えベストテンに登場するようになった。書籍は「商道」「棘魚」は人気を維持。日本人作家の作品は姿を消した。映画は「JSA」の代わりに「バーチカル・リミット」が1位にランク、米国映画の人気は相変わらず。

●音 楽

 映画、コミックから順調に推移した日本文化解禁は、遅れていた大衆音楽関係も新たな展開を見せている。昨年、公演制限が撤廃され、懸案の両国著作権にかかわる韓国音楽著作権協会(KOMCA)と日本音楽著作権協会(JASRAC)の国際信託契約も最終調整段階に入った(KOMCA幹部談)。

 一方、若者たちの日本語学習熱や日本歌謡への関心度は高まるばかり。ほぼ半数に達するという高校生の第2外国語選択、BS放送やコミックからの影響も大きい。

 歌謡市場では相変わらずダンスミュージック全盛だが、そんな中で日本のヒット曲をリメークしたPositionのスペシャル・アルバムが注目されている。尾崎豊の代表曲「I love you…」をタイトルに、桑田佳祐、徳永英明、小田和正、因幡晃らの100万―200万以上の販売実績をもつヒット曲から12曲を選曲した韓国語歌詞による歌唱盤だ。

 バレンタインに合せて発売されたが、すぐ人気が出て3月早々、「I love you…」がチャート・トップに躍り出た。この企画は一昨年、「Blue Day」(浜田省吾のリメーク曲)ヒットの確かな手応えによるものだろう。しっかり聴かせるバラードは日本歌謡の枠を越え静かに浸透している。ミュージックビデオも並行して発売され、人気上々だ。(㈲ツカサ・コミュニケーションズ・小平武司)

●書 籍

 1位の「だれが私のチーズを移したのか」は、人間が生きていく上で起こる変化に対応する方法について考えさせる本。2匹のネズミとネズミくらい小さい人間2人が登場、変化を受け入れる方法と挑戦精神の重要性を強調している。

 「商道」は約200年前の実在の人物のを描いた作品。主人公はニンジン貿易で成功し巨万の富を得たが、全財産を社会に還元した。登場人物のを通して人間の正しい生き方を提示した長編小説。

 急速に変化する現代社会で古い価値と認識されている「緩い」という言葉を、柔らかで優雅、考え深い生き方としてとらえた「緩く生きてゆく意味」が6位に入った。

 白血病の息子を看病する父の愛の物語「棘魚」の人気は以前として続いている。ウエートトレーニング案内書である「BODY FOR LIFE」がベストテン入りし、健康に対する関心が高まっていることをうかがわせる。

●映 画

 日本でも公開される「共同警備区域JSA」は、ソウルで225万人の観客を動員し、上映が終わった。代わりにトップに入ったのは米国映画の「バーチカル・リミット」。山を舞台に、父、息子、娘の家族愛を描いた作品。

 ベストテンで唯一韓国映画の「バンジージャンプをする」は、別れた恋人が後世に転生する物語。男は男(高校の先生)に、女は男(男の弟子)として生まれ変わる。ノスタルジアとファンタジーを行き来する。

 韓国で57万人を動員した日本映画「ラブ・レター」に出演した中山美穂が主演している「東京晴れ」が8位に食い込んでいる。このほか、英国映画が5、6位にランクされ検討している。