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2002/08/16

<韓国文化>韓国の人気ベストテン

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書 籍

 1位は著者がこれまでの人生で感じてきた様々な出来事を、「9歳で人生が始まった」と信じる子供の目を通じて描いた小説。友達や大人たちの姿、サントンネでの生活など、透明感あふれる“生”の物語は、「人生が9歳で終わる」のではなく「その後も続いていくんだ」という温かな余韻を残してくれる。

 7位は李箱文学賞受賞作「妻の箱」(1998)、韓国小説文学賞受賞作「私が住んでいた家」(2000)など7作品を集めた短編小説集。この文学賞受賞2作品以外にもここ最近著者の発表する作品への評価は高い。95年に文壇デビューして以来短編、長編含めて1年に1冊ずつ出版する精力的な執筆活動も群を抜いている。

 9、10位はワールドカップの余韻を感じさせるランキング。9位は韓半島を熱く揺らした“太極戦士23人”を取材した朝鮮日報のカメラマンと記者が、選手たちが夢を現実に変えていく姿をあらためて振り返った軌跡の1冊。

 今回のW杯で代表のユニフォームを脱ぐ洪明甫の自叙伝が10位。“東洋のベッケンバウアー”“アジアのリベロ”などこれまでいくつものニックネームがあったが、花形になりがちなFW陣をおいて今W杯では文字どおり花となった洪。洪のあの赤いユニフォーム姿はもう見られないことを思うとき、彼に今一番ふさわしいニックネームは“永遠のリベロ”か。

 スペイン戦、自らのPKゴールがネットを揺らした時の彼の笑顔を忘れる韓国民はいない。


映 画

 今週は夏休み真っ只中とあってかアニメものがランキングされた。3位、6位、8位、10位などがそれ。6位は今週順位こそ下げたがすでに100万人以上を動員。韓国でも宮崎アニメは子供以上に大人からの支持を得ている。

 2位はホラー映画。「鋏」のアン・ビョンギ監督がメガホンをとった。主演は「鋏」で好演したハ・チウォン。発信者を追跡できない正体不明の電話を受け取った人々が死んでいく…という夏にはなくてはならない怪奇映画だ。事件のキーを握る子供を演ずる子役の目つきが必見。夜一人ではトイレに行けなくなる。

 5位は列車を舞台にしたコメディーアクション。全財産300¥ウオン¥で買った使い捨てライター。そのライターまでもトイレに置き忘れたドジな男とそのライターの拾い主でもあるヤクザが繰り広げるドタバタ劇。ソウルから釜山までの列車のなかで一体何が起るのか?ヒット映画「新羅の月夜」の脚本家パク・ジョンウが今回も脚本を担当。
10位は今人気沸騰のチャン・ナラが父親で舞台俳優のチュ・オソンとともに声優にチャレンジして話題になった。なお主題歌もチャン・ナラが歌っている。


音 楽

 1位はクール。7枚目となるアルバムに収録されている。クールは男性2人・女性1人のダンスユニット。歌唱力やダンスはさることながらトークショーなどではウィットにとみ、この手のグループの中では息の長い活動を続けている。コミカルなミュージックビデオも話題。

 2位は“新・歌姫”のパク・ヒョンジョン。今回の4枚目のアルバム「Op,4」は015B(コンイルオービー)のチョン・ソグォンがプロデュースした意欲作で持ち前の歌唱力が充分に生かされた。

 3位はWaxの3枚目のアルバム収録曲。昨年のCD市場を席巻したと言われるWaxは76年生まれの女性ソロボーカリスト。デビューアルバムでは顔を一切見せないプロモーションで神秘性を売り、2枚目のアルバム「化粧を直して」はそのクオリティーの高さで80万枚を超すメガヒットとなった。今もなおチャートにランクしている。

 5位は芸能プロダクション・SMエンターテイメントに所属する人気アーチスト達が歌う季節限定盤的な1曲。カンタ、ムン・ヒジュン、神話、SESらが勢揃い。最近騒がれた放送局と芸能プロダクション間での不正取引疑惑も吹っ飛ぶ、若さあふれる夏ソング。