ここから本文です

2002/05/17

<韓国文化>日常生活の感動を表現

  • bunka_020517.jpg

 韓国の定型詩「時調(シジョ)」を紹介している「在日の時調(三行詩)の会」(蔡春夫・代表幹事)が、「在日の詩調(三行詩)第三集」を発行した。21人の同人の作品と、東京韓国学園、金剛学園の生徒23人の作品が収録されている。

 時調は3行詩(1行は原則として20字以内)スタイルの詩。制約が少なく、詩を書いたことのない人でも、日記をつづる要領で簡単に作ることができる。

 小中学生でも作りやすく、第3集にも東京韓国学園や金剛学園に通う小中学生の作品が収められている。

 詩は日常生活を題材にしたものが多く、金剛学園教師の金日龍さんによる「金メダリストは、昨年5月同校にバルセロナ五輪金メダリストのマラソンランナー、黄永柞選手が来校して講演し、生徒を激励したときの感動を表現した。

 在日3世の清華香風さんの「キムチ」は、中央アジアのウズベキスタンを旅行し、タシケントの街で朝鮮族バザールを見たときの思いをうたった作品。金剛学園中学2年生の金愛純さんの詩「反発」は、思春期の心の揺れをうたった中学生らしい作品である。

 新しく代表幹事になった蔡春夫さんは、「私の時調の原点は、学生時代に先輩の下宿で見たセクトンチョゴリの民族衣装を着た少女の油絵だ。少女の姿は朝鮮半島をかたどり、背景の紺色の海は東海を表現していて、とても感動した。この出会いがなかったら、韓国の文学を知らなかっただろう。2002年はワールドカップ・サッカーの年。私たちが今どこにいて、そしてどこへ行こうとしているのか、表現していきたい。多くの(在日の)生徒さんが参加してくれたのも嬉しいかぎりだ」と話す。

 同会では会員を募集中。連絡はファクス044・355・6907。第4集は2003年3月に発行予定。