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2002/02/08

<韓国文化>韓国の天才ピアニスト 日本で本格デビュー

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    パリの聴衆を魅了した林東赫の熱演。コンクールで演奏したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を日本のファンに披露する

 2001年度ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝者のガラ・コンサートが東京、大阪で開かれる。今回、弱冠17歳でピアノ部門優勝を飾った韓国の「天才少年」イム・ドンヒョクが日本の聴衆へ本格的デビューを果たすこととなり、注目されている。

 これまで数多くの著名な演奏家を生み出してきたロン=ティボー国際音楽コンクール。

 今年度はアジア勢の活躍が目覚しく、ピアノ部門6人の入賞者のうち3人を韓国、日本で占めた。その中から優勝の栄冠を勝ち取ったのが、韓国出身弱冠17歳のイム・ドンヒョク。独特の美しい音色とロマンティックな表現力で聞き手を魅了した。

 林は1984年ソウル生まれ。7歳で音楽の勉強を始め、大韓民国国立音楽院の予備科に入学した。父親のモスクワ転勤にともない、14歳で名門モスクワ音楽院の中央特別音楽院に入学、現在3年生に在学中。

 96年、12歳で「若きピアニストのための第2回国際ショパン・コンクール」で2位に入賞。クレムリンで当時のエリツィン大統領の前で演奏。また別府アルゲリッチ音楽祭では、女流ピアニストの最高峰マルタ・アルゲリッチと共演し、彼女に絶賛されるなど、すでに音楽ファンの間では「天才少年」としてその名を知られていた。

 今回の東京、大阪での演奏会で彼が披露するのはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。ロン=ティボーコンクールの本選課題曲として演奏し、パリの聴衆の喝采を博した曲だ。高い技術と同時に深い精神性を要求されるこの曲を、韓国の若きヴィルトゥオーゾがいかに演奏するか期待が高まる。

 当日は同コンクール2位のイリヤ・ラシュコフスキー(ロシア)がショパンのピアノ協奏曲第2番、ゲストとして内外で活躍する全盲のピアニストとして梯剛之がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を演奏するという豪華なプログラムとなる。

 指揮は佐藤俊太郎、オーケストラは新日本フィルハーモニー交響楽団(東京)、関西フィルハーモニー管弦楽団(大阪)。