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2003/09/12

<韓国文化>アジアの多様な音楽一堂に

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    アジア音楽祭2003」には20カ国150人の作曲家・演奏家が集う(写真は前回2000年のステージ)

 韓国、ベトナム、タイなどアジアの作曲家を紹介する「アジア音楽祭2003」(社団法人日本作曲家協議会主催)が、17日から23日まで、東京の文京シビックホールを中心に開催される。日本作曲家協議会の法人設立20周年記念の大会であり、「アジア作曲家連盟(ACL)」の創立30周年記念大会でもある。

 同音楽祭には、20カ国から150人の作曲家・演奏家、韓国からは李燦解・延世大学教授(ACL事務局長)など10人の作曲家にテグム奏者1人の計11人が参加する。

 文京シビック大ホールで行われる17日のオープニング・コンサートでは、「東京佼成ウインド・オーケストラ」により、韓国の現代音楽作曲家、故尹伊桑氏の『無窮勤』が演奏される。

 18日は東京藝術大学で、「アジアの音楽の独自性」をテーマにしたシンポジウム、現役のアジアの音大生の作品演奏会、民族楽器とオーケストラ作品による「アジアの協奏曲」が催される。日本の篳篥(ひちりき・雅楽の管楽器)、韓国のテグム、中国の古箏と琵琶、インドネシアのガムラン、フィリピンの竹の楽器バザールなど、アジアの楽器が競演する興味深い催しとなる。

 主催の「社団法人日本作曲家協議会(JFC)」は、62年に組合として設立、以来、日本音楽界の発展に寄与すべく様々な活動を行ってきた。現在、560人を越える会員が所属している日本最大の作曲家の団体だ。それぞれの会員は、純音楽から商業音楽まで、幅広い領域で活躍をしている。83年には社団法人の認可を受け、活動の幅をさらに広げた。現会長は池辺晋一郎氏、副会長は三枝成彰氏と松下功氏が務めている。

 一方、ACLは、73年にアジアの指導的な作曲家たちにより設立。現在、日本、韓国、台湾、中国(香港)、フィリピン、ベトナム、タイ、オーストラリアなど12の国と地域の作曲家の団体が加盟し、松下功氏が会長、韓国の李燦解・延世大学教授が事務局長を務めている。これまでに22回の音楽祭・総会を各支部の主催で開催。日本では今回で4回目の音楽祭・総会の開催となる。

 ACL名誉会員の李誠載・ソウル大学校音楽大学名誉教授は、「アジアの伝統と現代の融合を主題にしつつ、交流の領域を世界的に広めて行う貴重な音楽祭だ。アジアの伝統音楽の実演はもちろん、若い作曲家の登竜門、そして欧米で活躍する東洋出身の作曲家を紹介する意義も大きい」と、期待を寄せている。

 李燦解・延世大学教授は、「アジアの音楽が世界の音楽として根を深く下ろすために、各国の交流を深める必要がある。韓日が先頭に立ってアジアの音楽を発展させよう」と話す。


◆松下功・音楽祭実行委員長の話

 音楽祭の開催にあたり、アジアだけでなく世界各国の作曲家たちに、アジアをテーマとした作品の公募を行った。集まった作品は446曲にも及び、その中から実行委員会、演奏者推薦曲等を含め18曲の世界初演、26曲の日本初演曲が演奏される。韓国からは5曲が演奏されるので楽しみにしてほしい。

 アジアの伝統音楽にも焦点があてられている。日本の「伶楽舎」が〈雅楽〉を演奏するが、雅楽は中国をルーツとし、日本には朝鮮半島から渡ってきたが、南に伝わったのが〈ニャニャク〉である。ベトナムから初来日となる「アンサンブル・フーソワン」が、この〈ニャニャク〉を披露する。同じルーツをもつ音楽が、長い時間と空間を隔てていかに変遷してきたかを知る、またと無い機会になるだろう。

 そして西アジアの代表として、シリアのアレッポから「アンサンブル・オルニーナ」を招いている。アラビアの音楽から、中世の西洋音楽へのルーツを垣間見ることが出来ると思う。この音楽祭を通じて、『可能性の宝庫・アジア』に新たな交流の輪を広げられんことを願っている。


◆ アジア音楽祭2003in東京 ◆

   日 時 : 9月17日~23日
   会 場 : 文京シビックホール、東京藝術大学など
   主 催 : 日本作曲家協議会(℡03・5434・1853)
   内容詳細はhttp://www.composer.or.jp