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2004/04/23

<韓国文化>"微笑みの貴公子"にファンくぎ付け

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    今月4日のファンの集いには4000人が殺到した(写真=東京本社・阿部信行)

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    記者会見にのぞんだペ・ヨンジュン

 今月3日に来日した際、女性ファン約5000人が熱烈な歓迎で迎えたドラマ「冬のソナタ」の主役ペ・ヨンジュン。昨年NHK衛星放送で放映され、今月からNHK総合で始まった「冬ソナ」の再放送も、初回9%以上の視聴率を記録、2回目以降も13%台の視聴率を維持するなど、相変わらず『ヨンさま』ブームは健在だ。女性誌では毎週のようにペ・ヨンジュン特集を組み、別冊の特集号も目白押しだ。

 ペ・ヨンジュンは1994年、22歳のときドラマ「愛の挨拶」(KBS)の主役オーディションに合格してデビュー。97年には「冬ソナ」の主演女優チェ・ジウと初共演した「初恋」(KBS)が最高視聴率50%を記録するなど韓国を代表する人気俳優だ。

 72年8月29日ソウル中区生まれ。両親と1歳年下の妹の4人家族。「男は強くなくてはいけない」という父親の方針に従い6歳からテコンドーと柔道を習った。特にテコンドーは小学校2年生で黒赤帯を締めるほどになった。

 しかし、ペ自身はどちらかと言えば、道場で汗をかくよりは部屋でごろごろしながら読書をする方が好きな、内向的な子どもだったという。

 高校時代はサッカーや合気道、友人たちとの旅行に夢中になり大学受験に失敗、1、2カ月間餅の行商をして江原道一帯を放浪した後、寺にこもり受験勉強に専念した。 

 しかし、翌年も大学受験に失敗し、関心のあった芸能界への道に進むこととなる。まず老舗の映画会社「合同映画社」に入り、企画室、演出部、製作部の仕事をした。その後俳優学校に通い、オーディションを受けドラマデビュー。俳優デビュー後に成均館大学芸術学部映像学科に入学、現在休学中だ。

 俳優よりも監督になりたくて映画会社に入っただけに、これまで数多くの映画を見てきたペのお気に入りは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と『タクシー・ドライバー』で、尊敬する監督はセルジオ・レオーネとマーティン・スコセッシ。好きな男優はロバート・デニーロとアル・パチーノ、好きな女優は『アメリカン・ビューティー』のアネット・ベニングの名を挙げている。

 「冬ソナ」は韓国で平均視聴率23・1%と大ヒットし、登場人物のファッションやロケ地ツアーが大流行した。同ドラマはアジア各国でも大ヒットし、ペは一躍有名俳優の仲間入りをした。

 「殺人微笑」「微笑みの貴公子」と呼ばれる笑顔と眼鏡がトレードマークで、その微笑は日本の女性ファンも釘付けにした。

 映画界からは80作以上の映画出演依頼が舞い込んだが、その中からペ・ヨンジュンが初主演映画として選んだのは、18世紀に書かれたフランスの小説『危険な関係』ベースに、舞台を朝鮮朝末期に置き換えた「スキャンダル-朝鮮男女相悦之詞」。

 これまでのイメージを180度くつがえす朝鮮朝時代の名うてのプレーボーイ、チョン・ウォン役を演じるため、ペは8㌔以上も減量して撮影に臨んだ。本編でのチョン・ウォンは感情をあらわにせず、いつも無表情で、「冬ソナ」でのような満面の笑顔は期待できない。

 だが、自分のキャラクターを抑えて複雑な男の内面を生き生きと表現したペは、本作で大きく演技の幅を広げ、第24回青龍映画賞新人賞を獲得、役者としての評価を一段階高めた。日本でも5月公開予定だ。