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2010/03/05

<韓国文化>韓国の"家族"の姿 伝えたい

  • 韓国の“家族”の姿 伝えたい①

                      西村 嘉夫さん

  • 韓国の“家族”の姿 伝えたい②

                    チェ・ギュファンさん

  • 韓国の“家族”の姿 伝えたい③

    韓国社会のひずみを描いた『飛べ、ペンギン』

 「家族」をテーマにした韓国映画の新作を紹介する「真!韓国映画祭」が、東京・中野のポレポレ東中野で開催中だ(19日まで)。企画したのは、商業的に難しい韓国映画を日本で紹介してきたシネマコリア、名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」などによる配給委員会である。シネマコリア代表の西村嘉夫さんに聞いた。

 シネマコリアを始めるきっかけは。

 ――大学院生時代に韓国の留学生と知り合ったのがきっかけで、韓国に関心を持つ。80年代後半から90年代に入ると、日本でも韓国映画が自主上映やミニシアターで公開されるようになった。ただ、抑圧に耐える女性の物語が多く、あまり心に響かなかった。

 その後、96年の釜山映画祭に行って、韓国映画も日本で見た殖民地支配や虐げられた女性をテーマにした作品ばかりでなく、様々なジャンルを描いた作品があることを知り、内容のすぐれた映画を日本の人たちに見てほしいと考えたのが、シネマコリアを始めるきっかけだ。98年12月に仲間4人で発足した。

 99年に第1回の映画上映会を行い、韓国映画『ドクター・ポン』、北朝鮮映画『朝鮮地図物語~金正浩の生涯』を、名古屋で上映した。その後、同年8月に『ヘア・ドレッサー』『パク・ポンゴン家出事件』など4作品を上映した。これまで上映した作品は延べ60本にのぼる。

 日本での韓国映画ブームと時を同じくした感があるが。

 ――90年代後半から、人気俳優ハン・ソッキュ主演の『八月のクリスマス』『接続』など、韓国映画の新しい潮流が起き、それらの作品が日本でも紹介されて、韓国映画への関心が高まってきた。そして『シュリ』の大ヒットで一気にブームが来た。しかし、90年代後半当時、韓国映画の上映はまだまだ首都圏が中心で、地方では見る機会が少なかった。またシネマコリアのような地味な企画は、動員が大変だ。メンバーの熱意、韓国の映画関係者、シネマスコーレなどミニシアターの協力によって、何とかやりくりしてきたのが実情だが、日韓文化交流に一定寄与できたのではないかと自負している。

 自主映画の上映などを通して、日韓の若い才能を発掘することにも尽力しているが。
 
 ――2006年に上映した『まぶしい一日』は、日韓の若者の出会いと成長を描いたオムニバス映画だ。日韓の過去と現在を見つめ、未来志向の関係を築く構成になっている。また在日コリアンが登場し、思いを述べるシーンもある。若い世代がこのような映画を作り始めたら、両国の未来は明るくなるとの希望を抱かせてくれる映画で、この作品については、シネマコリアで配給している。

 また主演女優の一人が在日で、彼女はいま、女優だけでなく、映画プロデューサーとして韓日合作映画に携わっている。シネマコリアで紹介した若い人たちが、活躍の幅を広げているのはとてもうれしい。

 映画ファンからスタートしたので、良い作品を見てほしいのが第1だ。その結果として日韓の文化理解が進めばと願っている。映画祭という楽しい空間作りに、今後も取り組んで行きたい。


◆「人権、共生に関心を」 チェ・ギュファンさん(『飛べ、ペンギン』出演)

 韓国の人権委員会が制作した映画だが、決して堅苦しい映画ではない。現代の韓国人の生活をリアルに、ユーモアを持って描いた、地味だけれども心温まる映画だ。この映画を通して、いまの韓国の家族の悩みを知ってもらいたい。人が生きる姿は様々であり、違う相手を理解することは難しいけれども大切だ。人権とは、共生とは、そんなことを感じてほしい。

 いま関西で日本語の勉強をしている。韓日はお互いにまだ知らないことが多い。将来は日本の映画に出て、韓日をつなぐ役割をしてみたい。

■真!韓国映画祭■

 市役所勤務の人々を通して、韓国社会のひずみを描いた『飛べ、ペンギン』、母親の死と父親の再婚を受け入れられない娘と、8歳の少年の交流を扱った『空を歩く少年』、異父姉妹の父親探しの旅を通して、家族のきずなを見つめた『今、このままがいい』、21歳年下の男性との愛を貫こうとする中年女性を描いた『ビバ!ラブ』の4本。詳細はhttp://cinemakorea.org/rkcf