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2010/04/02

<韓国文化>韓国若手音楽家が日本デビュー

  • 韓国若手音楽家が日本デビュー①

    ■パク・ヘユン 1992年韓国生まれ。4歳でバイオリンを始め、9歳でソウル市交響楽団との競演でデビュー。2009年9月に行われた〈第58回ミュンヘン国際音楽コンクール〉で史上最年少をはたす。

  • 韓国若手音楽家が日本デビュー②

    ■レジーナ・ハン ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を首席で卒業。2000年に『椿姫』のヴィオレッタ役でデビュー。現在、客演ソリストとして活躍する一方、韓国の大学で教鞭をとる。

 韓国の18歳の天才バイオリニスト、パク・ヘユンとイタリアなどで活躍するソプラノのレジーナ・ハンが日本公演を行う。2人に抱負を聞いた。

◆年齢を超越した演奏披露 パク・ヘユン(バイオリニスト)◆

 4歳の時、いとこがバイオリンを演奏する姿を初めて見て好奇心を持った。両親にせがんでバイオリンを習い始める。音楽の先生に才能を認められ、専門教育を勧められた。6歳で韓国芸術総合学校予備学校に入学し、韓国日報少年少女コンクールに出場した。9歳の時にソウル市交響楽団と共演してモーツァルトのバイオリン協奏曲でデビューするなど、天才少女ぶりを発揮する。

 「子ども時代の大きな経験が、バイオリニストになりたいという私の夢に翼をつけてくれたと思う。バイオリンは私の肉体の一部といえる大切な存在。私の声の代わりに私の音楽と考えを観客に伝達してくれる。音楽は私の血肉であり、アイデンティティーといえる」

 日本公演では、ブラームスのバイオリン協奏曲をサー・ロジャー・ノリントン指揮シュツットガルト放送交響楽団との共演で披露する。

 「日本の観客に(18歳の)年齢を超越した、成熟した深みのあるブラームスのバイオリン協奏曲を聞いてもらえるよう努力したい」

 ハンブルグ放送交響楽団との共演なども、今年予定されている。

 「音楽を愛するという初心を大切に、『有名な音楽家よりは立派な音楽家』として、常に謙虚な姿勢で音楽活動を行っていきたい」

 「音楽は、国籍と言語と時代を飛び越えて交流できる最高の文化大使だと思う。大衆音楽は韓国と日本の文化交流に十分にその役割を果たしているけれども、クラシック音楽はもう少し役割が増えなければならないと感じている。中国のラン・ランというピアニストが全世界に中国の文化的地位を高めているように、韓国と日本も互いに関心を持つことができる芸術家がさらに多く輩出されることを願っている」

 日本公演は5月12日に横浜、13日に東京で行われる。


◆オペラへの情熱伝えたい レジーナ・ハン(ソプラノ)◆

 幼い頃から歌や舞踊に親しみ、小学生の時はジャズ歌手にあこがれた。11歳になってベートーベンの交響曲第5番を聞いて、クラシックに関心を持ち、チャイコフスキーやショパン、ブラームスなど熱狂的なクラシックファンとなる。

 12歳の時に合唱団のオーディションで1等に抜擢され、それがきっかけで声楽を始めるようになる。20歳の時にミラノに音楽留学。第2のマリア・カラスを夢見て、プロのソプラノ歌手になった。

 「オペラの魅力は生きている総合芸術。多くの配役に没頭して歌う過程とその作業が、最も大きな魅力だ。歌だけでなく演技も行いながらパーフェクトな音楽を完成させる鋭敏な作業は、コンサートだけでは味わえない感動だ。また舞台上で観衆と直接向き合い、私の情熱とエネルギーを直接観客に伝達できることは、他と比較できないほどの喜びだ。約1時間または2時間かけて、舞台を自由に表現することが出来る点も、オペラに対する情熱をかきたててくれる。

 「プッチーニのすべての曲が好きで、オペラ歌手としてプッチーニのオペラを演じてみたい。芸術を志す者として、狂おしいほどの情熱と愛をオペラに捧げたい」

 「世界最高の舞台に立つことを目標に、一日一日最善を尽くしたい。クラシックへの関心が深く、観客の芸術水準の高い日本での公演は、何年も前から夢見てきた。今回の日本公演を通じて、日本の観客と音楽的一体感を作り上げたい」

 「芸術は何の競争も,条件も無しに、お互いの情熱で一つになることができる。芸術家は韓日関係に大きな役割を果たすことができると確信している」

 日本公演は11日、横浜みなとみらいホールで開かれる。