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2011/05/20

<韓国文化>韓日文化交流の一助に

  • 韓日文化交流の一助に①

    1987年ドイツ・マンハイム生まれ。3歳でバイオリンとピアノをはじめる。2010年6月第4回仙台国際音楽コンクール・バイオリン部門で優勝。6月1日、東京・浜離宮朝日ホールでリサイタル。http://www.simc.jp/

  • 韓日文化交流の一助に②

    韓国慶煕大学校舞踊科、釜山大学大学院舞踊学科修士課程卒。ソウルバレエシアターで活動後、2008年東京シティ・バレエ団入団。22日東京・ティアラこうとうで新作公演。http://www.kcf.or.jp/tiara

 日本で活躍する韓国人芸術家が増えている。韓国系ドイツ人2世のバイオリニストで、6月に日本でリサイタルを開クララ・ジュミ・カン、東京シティ・バレエ団に所属し22日に新作バレエを披露するダンサー兼振付家の徐胤碩に話を聞いた。


◆日本での音楽活動が楽しみ クララ・ジュミ・カン(バイオリニスト)◆

 ユベール・スダーン指揮・東京交響楽団演奏で、ブルッフの「バイオリン協奏曲第1番」を6日に演奏したが、とてもリラックスした気持ちで弾くことができた。

 この日を含めて日本で3回演奏しているが、日本のクラシックファンはとてもレベルが高いと感じる。音楽家の演奏に100%集中し、咳一つ聞こえてこないのでとても感動的だ。純粋に音楽を愛していると感じることができるし、最近では日本で公演しているときが一番嬉しい。

 6月に日本で初リサイタルを行うが、ブラームス、チャイコフスキーなど私の好きな曲を選曲した。4月に米国ツアーを行ったけれど、そのときとはプログラムを若干変えている。今後も日本での活動を活発に行いたいと思っている。

 両親が声楽家だったので、クラシック音楽を聴きながら育った。バイオリンを始めたのは3歳のとき。隣国である日本は小さい頃から身近に感じ、日本の大きなクラシック市場に自然に接していた。だから昨年、仙台国際音楽コンクールに参加したのも誇らしかったし、優勝したときは他のコンクールよりも嬉しかったことをよく覚えている。

 韓日の交流が盛んだが、音楽分野でも交流が増えているのは良いことだと思う。日本の音楽家と作業するときはとてもリラックスできるので、音楽交流は今後も深まってほしい。

 両親とも韓国人なので、自らを韓国人と考えてはいるが、ドイツで生まれ育ったので、韓国で育った人とアイデンティティーにもちろん差があると思う。最高の作曲家が活動してきたドイツでクラシック音楽を習うことができたのは、とてもラッキーだった。


◆両国のバレエ発展に貢献を 徐胤碩(ソ・ユンソク、バレエダンサー兼振付家)◆

 22日のラフィネ・バレエコンサートでは新作「DEVILS TEMPTATION」を上演する。

 利己心と貪欲にかられた人間の魂を奪い、悪魔の手下にするため人間の世界に降りて来た悪魔が、人間を拉致して魂を奪い、邪悪な悪魔の仲間に作り上げていく。そして人間と悪魔の間をさまよった末に、愛の力で人間社会に戻ってくる。人間の心の弱さと強さを、バレエを通して感じてほしい。

 2008年に来日したが、日本でバレエダンサーとして活動しながら感じるのは、日本の人々は本当にバレエを愛しているということだ。バレエに対する愛と情熱は尊敬に値する。

 韓国と日本の文化交流には個人的に大いなる関心を持っている。この間、さまざまな分野で交流がなされるようになったが、形式的で受動的な交流事業もまだまだ多いと思う。

 本当に主体的で活発な文化交流事業が増えてほしいし、そのためには国家的次元での関心と支援が必要だと思う。両国がより積極的に交流活動を進めてほしい。

 私は高校2年生で本格的にバレエを始め、ソウルバレエシアターなどで活動した。振り付けも行い、KBSコンクールで銀賞を受賞した。視野を広げより成長したいと考え、日本にやってきた。

 韓国はモダンバレエが発達しているが、日本はクラシックバレエが発達しているので、長所を学び合えばより発展すると確信した。

 韓日の文化交流と発展に貢献して、両国のバレエファンに報いることができるよう努力したい。両国のバレエ発展の一助になれればうれしい。