ここから本文です

2011/06/24

<韓国文化>韓国人バレリーナ、海外で活躍

  • 韓国人バレリーナ、海外で活躍①

                    ソ・ヒ(ヒー・セオ)

  • 韓国人バレリーナ、海外で活躍②

                     カン・ヒョジョン

  • 韓国人バレリーナ、海外で活躍③

                       イ・サンウン

 韓国人バレリーナが相次いで海外バレエ団に進出、大役を演じている。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のソ・ヒ(25、ヒー・セオ)は今春『ジゼル』の主役を演じた。独シュツットガルトバレエ団のソリスト、カン・ヒョジョン(25)も『ロミオとジュリエット』のジュリエット役に抜てきされた。独ドレスデンのゼンパーオーパー・バレエ団のイ・サンウン(24)は、『ラ・バヤデール』でガムザッティを演じた。

 ソ・ヒは今春、米国ニューヨーク・リンカーンセンターのオペラハウスで、バレエ『ジゼル』の主役を演じた。

 ソ・ヒは、ワシントンのユニバーサル・バレエ・アカデミーなどでバレエを学んだ後、2004年にABTスタジオ・カンパニー入団、06年に世界3大バレエ団のアメリカンバレエシアター(ABT)に入団。昨年8月に端役のコール・ド・バレエ(群舞)からソリスト(独舞)へ昇格。今回『ジゼル』で主役デビューを果たした。『ジゼル』は、『白鳥の湖』『ロミオとジュリエット』に並ぶABTの代表作で、ヒロインに東洋人が抜てきされるのは珍しい。

 ソ・ヒは、愛を失った衝撃から命を捨てたジゼルの痛みを見事に演じた。公演後、「入団後の5年間にジゼルの群舞を全てこなした。貴族、田舎娘などを演じながら、作品を全体的に理解するようになった」と語った。

 ジゼル役は繊細かつ叙情的で、感情表現が難しい。完成までに長い歳月がかかるうえ、バレリーナの昇格も難関だ。ソ・ヒは「端役でも主役でも、役に忠実であれば良い。ジゼルはあまりにも大作なので緊張したが、初めての主役としては大満足だ」と話した。

 今回の公演はまた、足首の負傷を乗り越えて完成させた。ソ・ヒは昨年11月『くるみ割り人形』の主人公クララ役でのデビューを控えていたが、足首の筋肉が破裂。医師からは「足首の回復には1年かかるかもしれず、再び舞台に立てないこともあり得る」と通告され、ソウルに戻った。

 ソウルでリハビリを開始。ニューヨークに渡ってからも苛酷なリハビリに耐え、ジゼルの練習に入った。愛と裏切り、生と死、容赦と憎しみなど、極端な感情を表現しなければならない難しい役を演じきると、スタンディングオベーションが送られた。

 ソ・ヒは7月21日に始まるABT日本公演で来日。出場演目は未定。www.japanarts.co.jp

 カン・ヒョジョンは02年スイス、ローザンヌ国際舞踊コンクールで入賞した後、04年独シュツットガルト・バレエ団に入団、今回正式に主役にキャスティングされた。この間、代役公演で何度か主役を演じており、その実績が認められたものだ。同バレエ団のプリンシパルには、やはり韓国出身のベテラン、カン・スジンがいる。カン・スジンはこれまでジュリエット役など数多くの作品で主役を受け持ってきた。

 イ・サンウンは、『ラ・バヤデール』の重要な役ガムザッティを演じた。彼女はユニバーサルバレエ団のソリストとして活動後、昨年8月に同バレエ団に入団した。身長が182㌢あり、韓国では「最長身バレリーナ」と呼ばれ、相手役の男性ダンサーより長身なため配役が制限されていた。しかし、ドイツ進出後はその問題が無くなり、実力を発揮している。

 同バレエ団はアジアでの知名度は少ないが、現代的作品とクラシック作品を等しくリリースするバレエ団で、欧州ではシュツットガルト・バレエ団に劣らない水準と評価されている。