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2012/10/05

<韓国文化>韓国伝統芸能の魅力伝える

  • 韓国伝統芸能の魅力伝える①

    伽倻琴を世界に広めた池成子さん

  • 韓国伝統芸能の魅力伝える②

    韓日文化交流に貢献する金福実さん

 韓国の伝統音楽を日本で紹介する池成子さんと金福実さんの音楽会が、10月と11月に相次いで開催される。韓国伝統音楽の魅力に触れるまたとない機会だ。

◆伽倻琴(カヤグム)は心のふるさと  池 成子(チョ・ソンジャ)さん、韓国伝統音楽家◆

 池成子さんは、幼少より伽倻琴に親しみ、舞、歌、打楽器等を総合的に身に付けた、韓国伝統音楽を体現する演奏家だ。1969年に来日し、70年代に東京芸大や自ら設立した研究所で伽倻琴の指導をする一方、日本の多くのアーティストと共演し伽倻琴の魅力を発信し、韓日文化交流に尽くした。

 現在は韓国在住のため、そのエネルギッシュな演奏に触れる機会は限られている。今回は久しぶりの来日公演である。

 「ソリ」とは、韓国人の民族の心の深部に触れ、その世界を照らし出す表現とされている。その情熱と哀感を併せ持つソリの世界を紹介する。

 言葉を越えて心情を奏でる伽倻琴散調。著名な物語の名場面を情感たっぷりに歌い語るパンソリ(韓国固有の音楽劇)。即興性に富んだシナウィ(器楽合奏)、そして生命力がはじけるような民謡の数々が紹介される。

 「私にとって伽倻琴は心のふるさと。いつも希望を与え、生の真理を悟らせてくれ、孤独な道を歩んで行く私の手を、そっと握ってくれる友でもある。私は名人、故・成錦鳶の娘として生まれた。いつも伽倻琴の音色を聞きながらご飯を食べ、眠り、その音色の中で成長した。幼い頃から踊り、パンソリ、楽器を学び、それを繰り返すことが自然に身についた。妹たちと遊ぶ時も、唱劇の一場面を真似して、時の経つのも忘れて遊んでいた。大切なことは伽倻琴に対する素朴な愛情だ。好きだという気持ちが花になって咲かない限り、それは得られない。音の変化を聴こうとし、どうすれば私の気持ちに合った表現ができるか探し、その音がどのように相手に伝わって行くか、その答えは楽器の体温が暖かく感じられる時、聴こえてきた。何かを好きになるということは本当に不思議なことだ」

■歌い語るソリの世界■
日時:10月14日午後3時
場所:神奈川県立音楽堂
料金:一般4000円ほか
電話:045・662・8866


◆日本で四半世紀、国楽指導  金 福実(キム・ボクシル)さん、韓国伝統音楽家◆

 金福実さんはソウル生まれ。幼少時から韓国伝統芸能を学び、人間文化財23号の姜貞烈先生に伽倻琴散調・伽倻琴併唱を師事した。

 99年に韓国全州第25回大私習大会入賞、2001年には南原春香祭国楽大会伽倻琴併唱部門最優秀賞を受賞している。

 80年代半ばに来日し、韓国伝統芸能を在日と日本社会に広めるため、東京・荒川で金福実国楽研究所・韓国パンソリ保存研究会関東支部を開き、現在に至っている。

 また同研究所の生徒とともに日本の小学校で演奏会を行うなど、荒川を拠点に韓日文化交流にも貢献してきた。在日高齢者を慰問する公演も数多く行ってきた。

 また伽倻琴散調(申寛流)7曲とパンソリ4曲の入ったCD「金福実伽倻琴世界」も出している。「伝統芸能の魅力を後輩たちに伝えようと作成した。伝統芸能の普及に役立てば」と語る。

 11月30日には韓国パンソリ保存研究会創立16周年記念・第3回金福実国楽研究所発表会「国楽ハンマダン~唱・舞・響」を都内で開催する。

 「韓国の名手にもゲスト出演してもらう。パンソリの名作『春香伝』や『沈清伝』の中から名場面を抜粋し、字幕も付けて演奏する。また韓日文化交流として、日本の琵琶語りや浄瑠璃との共演も行う。国伝統芸能を伝えたい一心で始めて、あっという間に四半世紀が過ぎた。体が動かなくなるまで、この道ひとすじに歩んでいく。韓国伝統芸能の神髄に触れてほしい」と金さんは話す。

■国楽ハンマダン~唱・舞・響■
日時:11月30日午後6時30分
場所:シアター1010(東京都足立区千住)
料金:前売5000円、当日5500円
電話:03・3806・4852