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2015/10/16

<韓国文化>韓日の4劇団、両国現代史を描き出す

  • 韓日の4劇団、両国現代史を描き出す

    『ギョンスク、ギョンスクの父』

 韓日国交正常化50周年を記念して、現代演劇、ダンス、美術、クラシックなど、さまざまな文化交流行事が予定されている。

 第3回「日韓演劇週間」は、東京・上野の東京ストアハウスで開催中(25日まで)。韓日気鋭の4劇団が、現代社会を見つめる新作を紹介。

 韓国の現代演劇を代表する朴根亨が主宰する劇団コルモッキルは、『ギョンスク・ギョンスクの父』を上演。日帝末期から韓国戦争が起きる1950年までを背景に、波乱万丈な人生を生きてきた父とその家族を描く。

 劇団ドリームプレイは『アリバイ年代記』(作・演出=金戴曄)を上演。作家自身と父と兄、家族の物語と歴史を淡々と描く。

 1930年、植民地時代に日本で生まれて教育を受け、祖国に戻り、1955年、定年退職になるまで大邱中央高校で数学の教師として勤めた父の金テヨンをドキュンタリー的に回想しつつ、父親の年代記を通じて韓国近代史と作家自身との関係が描かれる。

 日本の劇団・温泉ドラゴンは、『烈々と燃え散りしあの花かんざしよ』を上演する。

 韓国人無政府主義者の朴烈と、内縁の妻である日本人思想家の金子文子が、爆弾テロを画策していたとして1923年の関東大震災の2日後、逮捕された朴烈事件を描く。

 中津留章仁LOVERSは『黄色い叫び』を上演。地方ののどかな人々の中に、土砂災害で両親を亡くし、震災を東京で見つめていた一人の青年が戻ってくる…。℡03・5830・3944(上野ストアハウス)。

 国際的な舞台芸術イベント「フェスティバル/トーキョー15」は、10月31日から12月6日まで、東京・池袋の東京芸術劇場を拠点に、東京・埼玉の主要劇場などで行われる。今回のテーマは「融解する境界」。国籍や世代といった大きな括りから、わずかな価値観の差異まで、私たちの周囲にはさまざまな「境界」が張り巡らされている。しかしアートはそれらをくぐり抜け、社会を問い直す力を持つ。舞台芸術を中心に、多くの人とその力を共有し、「境界」を超えた対話を生み出す。


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