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2015/05/01

<韓国文化>過酷な韓国現代史描く

  • 過酷な韓国現代史描く

    大ヒットした映画『国際市場で逢いましょう』

 韓国で観客動員1400万人を超える大ヒットを記録した映画『国際市場で逢いましょう』(ユン・ジェギュン監督)が、16日から全国公開される。韓国戦争の避難民、西ドイツの炭鉱労働、ベトナム戦争従軍、南北離散家族再会など、激動の韓国現代史を背景に、家族のために生きた一人の男の物語だ。門間貴志・明治学院大学准教授に、同映画について文章を寄せてもらった。

◆「家長」として生きた男の〝恨(ハン)〟 門間 貴志(明治学院大学准教授)◆

 「がんばれクムスン」という往年の歌謡曲がある。朝鮮戦争のさなか、釜山は北朝鮮や陥落したソウルなどから逃れて来た避難民であふれかえった。避難の過程で家族との離散を余儀なくされた人々は膨大な数にのぼる。この歌は、北朝鮮東部の興南埠頭で妹とはぐれた兄が、避難先の釜山で商いをしながら行方知れずの妹を想うというものである。この兄が働く国際市場や避難民たちが身を寄せたという開閉式の影島大橋など、釜山の風景も歌詞に織り込まれている。

 ユン・ジェギュン監督の映画『国際市場で逢いましょう』の主人公もまた、この歌のように生き別れの肉親との再会の日を待ち望んでいる。

 上野のアメ横にも似た釜山の国際市場は、一般市民や観光客で賑わう市場である。その由来は、1945年の解放以後、日本人が引揚げの前に家財や戦時統制物資を売り始めた空き地であり、朝鮮戦争以後は北からの避難民が開業し、米軍からの放出品が流通し、市場として大きく発展した。

 映画はここで商いをする男を中心に、戦後の韓国を生きた市井の人々を描いたもので、韓国では歴代2位を記録する大ヒットとなった。

 映画は朝鮮戦争から現在までの韓国史を2時間で駆け抜ける。主人公のドクスのモデルとなった特定の人物はいない。


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