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2016/02/05

<韓国文化>社会問題描く韓国の新作上演

  • 社会問題描く韓国の新作上演

    『2016 工場のともしび―劇場デモ』

 韓日文化交流イベントが、神奈川で6日から来月にかけて開催される。国際舞台芸術ミーティングin横浜2016」は、アジア舞台芸術専門の国際イベント。「マツリクロッシング」は、バンドミュージックや民俗芸能の韓日競演イベント。そして「かながわ絆プロジェクト第5回公演トキノキズナ」は、東日本大震災復興を願って12年に初演された市民ミュージカルの再演だ。

 国際舞台芸術ミーティングin横浜2016」(TPAM)は、95年に「東京芸術見本市」としてスタートし、今回で20回目アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームのひとつとして、国際的な地位を確立している。

 これまでアジアには、アジアの才能豊かなアーティストや興味深い同時代の作品などにある程度まとまってアクセスできる機会、アジアにおける舞台芸術のネットワークを築く場が少なかった。 

 TPAMは昨年からアジアにフォーカスして、アジアの同時代の舞台芸術作品をより多く、より身近に、アジアおよび世界の観客に届けられるよう、様々な試みを行っている。

 今回上演される『2016工場のともしび―劇場デモ』(ムーブメント・ダンダン)は、韓国の70年代を象徴するフォークミュージシャンで演出家でもある金敏基が、1978年、実際に起こった紡織工場の女性労働者たちの戦いをモチーフに作った歌劇を、14年にムーブメント・ダンダンが再創作した作品。

 原作が作られた当時とさほど変わっていない現実を反映し、原作の主な要素は活かしながら再構成されたテキストと、抵抗の言葉やそれを映す身体性が、揺れる現実社会における「広場」としての劇場の役割を浮き彫りにする作品だ。今回が日本初演となる。

 『語りの方式、歌いの方式―デモバージョン』(ユン・ハンソル×グリーンピグ)は、口伝えの物語りを歌にし、その歌がまた口伝えで受け継がれた韓国の伝統的民俗芸能のパンソリを題材にした作品。同作品では、パンソリ5大曲の1つで『三国志』の一部を題材にしている戦争ものである『赤壁歌』をとりあげている。


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