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2016/10/28

<韓国文化>植民地支配の悲劇、検閲問題など描く

  • 植民地支配の悲劇、検閲問題など描く

    韓国の上演作品『6月26日』

 演劇上演を通して韓日の歴史を知り、友好を深めようと、第4回「日韓演劇週間」が、来月、都内で開催され、韓日気鋭の4劇団が上演する。また、日本の劇団「温泉ドラゴン」は、朝鮮王朝最後の王女・徳恵翁主を描く新作『或る王女の物語~徳恵翁主~』を来月、都内で上演する。

 日韓演劇週間で上演されるのは、韓国側が創作集団Choc・24の『6月26日』とドリームプレイの『検閲―彼らの言葉―』、日本側が遊戯空間の『たったいま八月の冥王星でたったいま八月の地球では(改定版)』と、中津留章仁Loversによる『水無月の云々』の4作品。

 『6月26日』は1938年から1950年を舞台に、悲劇の歴史に翻弄された人々を描く。

 1938年、江原道通川出身のソンニョンと春川出身のヨンチュンは日本軍に徴用され、満州、ノモンハン戦に参戦した後、ソ連軍の捕虜となってソ連軍に徴集される。二人はドイツ軍に捕まり、収容所で苦痛に満ちた時間を耐えた末に生き残る。

 1950年6月26日、夢にまで見た故郷の地に帰ってきたソンニョンとヨンチュンは再会する。

 『検閲―彼らの言葉―』は、韓国における一連の検閲問題がテーマ。検閲主体の言葉を、社会言語学的な観点から覗き見ると、その言葉の中に隠された政治性と、公共芸術の関連性を把握できる。 自由民主主義国家の国民であると同時に芸術家である韓国演劇人のアイデンティティーに、検閲言語がどのような暴力を加えているのかを探る。

 日本の『たったいま八月の冥王星でたったいま八月の地球では(改定版)』は、福島の詩人、和合亮一氏が書いた二冊の詩集がモチーフ。

 震災前に書かれた「入道雲」、そして震災後に書かれた「廃炉詩篇」、遊戯空間は、いままでそれらをテキストに劇を作ってきた。震災からもうすぐ6年。再び和合亮一氏のことばに向き合う。


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