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2018/03/02

<韓国文化>漆を使った多様な作品紹介

  • 漆を使った多様な作品紹介

    全龍福「噴出」(180×180㌢/漆)

 平昌冬季オリンピックの開催を記念し、韓国の優れた漆芸を紹介する特別展「漆芸二人展」が、東京・四谷の韓国文化院で開催中。また下関市立歴史博物館(山口県下関市)では、特別展「朝鮮通信使―日韓の平和構築の歴史」が開かれている。

 特別展「漆芸二人展」では、韓国の伝統漆技法を継承しながら他分野とのコラボレーションなど多様な試みを通じて独特な作品世界を広げている、作家の全龍福(チョン・ヨンボク)さんと蔡林(チェ・リム)さんの作品を紹介している。

 両作家は、韓国の漆の優秀さ及び芸術性をより多くの人々に紹介し、漆文化を紹介するための制作活動に取り組んでいる。

 全龍福さんは数々の受賞歴を持ち、1988年には東京・目黒雅叙園の漆芸術作品の復元と作品制作を任されるなど、大きな話題を集めた。その後、時計ブランドのセイコーから依頼を受け、腕時計に漆芸技術を施すという繊細な技術が要される作品を制作するなど活動の幅を広げてきた。

 韓国文化院でも全龍福さんの作品を所蔵しており、「オンマ(母)」と題した作品が1階ロビーに展示されている。

 蔡林さんは2000年よりジュエリーデザイナーとして活動を始めたが、伝統工芸技法の漆を勉強し、漆芸の長所と現代宝石デザインの造形美を融合させ、漆で塗った作品の上に螺鈿、銀、サンゴ、翡翠、琥珀などの宝石をあしらった造形作品のような絵画作品を制作し、異なる分野の芸術の融合を目指している。

 同展では、全龍福さんの漆芸平面作品14点と蔡林さんの漆芸作品22点の計36点を展示している。


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