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2018/11/30

<韓国文化>「言論の自由」の大切さ描く

  • 「言論の自由」の大切さ描く

    チョン・ホン 1963年、東京・新宿生まれ。韓国・延世大学校医学部卒。上野にアジアン美容クリニックを開業。帝京大学病院美容センター講師。アンチエイジング手術を得意とする。

  • 「言論の自由」の大切さ描く

    政治権力による言論弾圧を描いた韓国ドキュメンタリー映画『共犯者たち』

 権力による言論弾圧を描いた『共犯者たち』と、でっち上げスパイ事件を描いた『スパイネーション/自白』の韓国ドキュメンタリー映画2作品が来月1日、東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開される。鄭憲・アジアン美容クリニック院長に映画評を寄せてもらった。

◆ジャーナリストの真価と存在意義 鄭 憲さん(アジアン美容クリニック院長)◆

 中学生ぐらいの頃だろうか、一時漠然と新聞記者になりたいと考えた。きっかけは当時新聞で連載されていたコラムを読み、800字にも満たない文章が伝える世界に何かしら心に伝わる力を感じての事だったと思う。

 それもそのはず、当時コラム欄を執筆していたのは新聞史上最高のコラムニストと評されながら急逝した深代惇郎記者であった。彼が担当した期間は3年弱の短い期間であったが、コラム「天声人語は「天に声あり、人をして語らしむ」という中国の古典に由来の通り、世の様々な出来事、事象、事件を幅広い教養と知識から分析しつつも決して奢らず、また、何者にも媚びず、あくまで民衆の目線で言葉にした。それ故、鋭い洞察力と洗練された内容ながら文章には温かい血が感じられたのだろう。そんな記事が書けるジャーナリストに憧れた時期があった。

 一方、今回日本で上映される2本のドキュメンタリー映画『共犯者たち』『スパイネーション/自白』に登場するのは、権力やそれに迎合するメディアに対する追求や、国家機関によるスパイ捏造事件の真相究明に奔走する「戦うジャーナリスト」たちである。

 監督は、韓国の公営放送局MBCで様々な不正、腐敗事件を暴き、名物PDとして名をはせた崔承浩氏。彼は2008年に


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