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2020/10/12

<韓国文化>女性の共感呼んで社会現象に

  • 女性の共感呼んで社会現象に

    金ドヨン監督『82年生まれ、キム・ジヨン』(C)2019 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

 結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われる一人の女性の人生を通して女性が直面する重圧と生きづらさを描いて韓国で130万部超のベストセラーとなり、日本でも話題を集めた趙南柱(チョナムジュ)の小説を同タイトルで映画化した『82年生まれ、キム・ジヨン』(金ドヨン監督)が9日、全国公開される。アジア映画の研究者、門間貴志・明治学院大学文学部芸術学科教授に、同映画について寄稿してもらった。

◆古めかしい社会通念に対する疑義 門間 貴志(明治学院大学文学部教授)◆

 NHKの朝ドラを観ていると、その多くは夢を抱いて生きている女性が主人公で、自分のやりたい仕事を目指して刻苦奮闘する。ドラマの時代設定は戦前や戦後、あるいは明治、大正時代であったりするので、女性が社会に出ることに対し、家族や世間の理解は低い。

 ヒロインはそうした状況に翻弄されながら、解決策を見出していく。今思えば、朝ドラとは女性に対する応援歌だったのかなと思う。


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