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2022/07/29

<韓国文化>「新しい文化芸術」発信の地に

  • 「新しい文化芸術」発信の地に

    霊巌郡立河正雄美術館・創作教育館がオープン

◆父母の故郷に美術品を寄贈して◆河正雄(光州市立美術館名誉館長)

 在日2世の河正雄・光州市立美術館名誉館長が、故郷に寄贈した美術作品を展示する全羅南道霊巌郡の霊巌郡立河正雄美術館に、付属施設の創作教育館がつくられ、このほど開館式が行われた。開館式に出席した河正雄名誉館長に同館開館への思いについて寄稿してもらった。

 全羅南道霊巌郡立河正雄美術館に「明露堂」という施設がある。2014年、その施設に滞在していた私を全東平・霊巌郡守が訪ねて来られた。初対面のその席で金逸太・前郡守との関わりを述べた。金前郡守は2006年4月、「霊巌郡鳩林里にある中学校を利用して霊巌陶器博物館を開設したが、このたび新築することになった」と設計図を見せてくれた。

 その時、「陶器コレクションを寄贈して頂ければ3階に河正雄寄贈記念室を作りたい。韓国各都市の美術館に美術品を寄贈しているのに、何故、父母の故郷である霊巌郡には寄贈してくれないのか」との要請を受けた。

 父母や先祖が霊巌のために特別に尽くした訳でもないのに、日本で生まれた在日2世を記念する美術館を建立してくれるという計画に身に余る幸せを感じた。私の故郷を想う心、愛する心が天に通じたと私は素直に喜び祖国と故郷に感謝した。

2007年3月31日、第一次として709点の陶器と美術作品のコレクションを寄贈した。寄贈は続き19年10月29日時点で総数3801点となり、12年霊巌郡立河正雄美術館は開館した。


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