◆日韓文化交流への思いを形に◆
韓国の人気絵本作家スージー・リーの絵本を日本で翻訳・出版する、韓日有志による『トンムルウォン(どうぶつえん)』翻訳刊行プロジェクトがこのほど、同絵本の日本語版『どうぶつえん』(サウザンブックス社)を出版した。発起人の一人、松岡礼子・至学館大学健康科学部准教授に出版にあたり文章を寄せてもらった。
2010年に西宮市大谷記念美術館(当時)で「韓国の民画と絵本原画展」を鑑賞し、伝統と挑戦の韓国絵本の魅力を知った。なかでも李オクベ氏の韓国語絵本『お話袋のお話』の力強くも優しい絵の語りと若者が活躍するストーリー展開、そして昔話は民衆の宝であるというコンセプトに心をつかまれた。
ところが、これだけの優れた絵本が、その後、日本国内で翻訳刊行されることはなかった。物語は、人々に愛読されるのを待っている。そんな『お話袋のお話』が一部の読者の「幻の名作」になってしまうとは、なんとも皮肉な話である。
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