ここから本文です

2011/03/18

<週間ダイジェスト>3月10日~3月16日

16日■原子炉冷却のホウ酸を緊急支援

 福島の原子力発電所事故で、日本政府が韓国政府に原子炉の冷却に必要なホウ酸数十㌧の緊急支援を要請し、韓国政府はこれに応じることを決定した。ホウ酸は核分裂を止める減速材として使われ、日本政府は現在、原子炉爆発を防ぐため海水に混ぜたホウ酸を大量に投入している。韓国政府は「在庫が足りなくなる問題よりも、日本にホウ酸を支援するのが先」と判断し、早急にホウ酸を日本に送る計画だ。

15日■北、ウラン濃縮議論に反対せず

 北朝鮮外務省は、中断中の6カ国協議について、同協議でウラン濃縮計画(UEP)問題を議論することに反対しない立場を明らかにした。北朝鮮の外務省報道官が、ボロダフキン・ロシア外務次官との会談内容を明らかにしたもので、ロシア側に対し「北朝鮮はいかなる前提条件なしに6カ国協議に参加し、ウラン濃縮計画問題が議論されても反対しない」と述べたという。韓米両政府がウラン問題を国連の安全保障理事会で取り上げようとしていることに対応した発表とみられる。

14日■青瓦台で原発安全非常点検会議

 青瓦台(大統領府)は、東日本大震災で起きた福島の原子力発電所事故に伴い、韓国に及ぼす影響を調べる一方、韓国の原発安全状態を点検するための非常会議を招集した。李明博大統領がアラブ首長国連邦(UAE)歴訪中のため、任太熙大統領室長が主宰して開催。福島原発からの放射能物質の周辺国拡散についての報告を受けた。また東日本大震災が韓国に及ぼす経済的・環境的影響についても報告がなされた。

13日■海兵隊に航空団創設しヘリ配備

 「国防改革307計画」に基づく海兵隊戦闘能力強化のため、韓国軍は海兵隊に機動ヘリを配備し航空部隊を創設することを明らかにした。海兵隊司令部の直轄部隊として編成され、韓国産機動ヘリのスリオン約40機を主軸に、2017~2018年ごろに創設する。スリオンは06年6月に開発を着手し、来年6月までに約200機を量産し配備する計画だ。

12日■武藤正敏駐韓日本大使が感謝の意

 武藤正敏駐韓日本大使が外交通商部を訪問し、東日本大震災に対する「韓国政府の友情と配慮に心から感謝する」と語った。朴錫煥次官と面談した際に述べたもので、李明博大統領と外交通商部の金星煥長官が「深い哀悼と慰労を表する」との通知文を送ったことに感謝の意を表した。朴次官は「韓国政府は出来る限りの支援を行っていく」と語った。

11日■東日本大震災で「深い哀悼と慰労」

 東日本大震災が発生して多くの被害が出たことに対し、韓国外交通商部は「地震と津波によって貴重な人命の被害や多くの財産損失があったことに対し、日本政府と国民に深い哀悼と慰労を表する」との声明を発表した。また救助隊の派遣など、可能な限り復興に協力する考えを示した。一方、国土海洋部は韓国に津波が来た場合の対策室を設置し、道路、空港、鉄道、輸送、住宅、水資源、海洋の七部門で問題が発生した場合に備えて復旧支援の準備を整えた。

10日■李大統領「物価安定に総力を」

 李明博大統領は国民経済対策会議で、国政は成長と物価が今年一番の問題であり、総力を物価安定に傾けるとの考えを強調した。そして、中東情勢に伴う国際原油価格の急騰や、気候変動による農水産物価格の上昇に言及し、政府や専門家が努力を行うとともに、国民全体が省エネを進めてほしいと訴えた。また4月になって野菜類が市場に出回れば、物価も多少は安定に向かうのではないかと述べた。