ここから本文です

2014/04/11

<週間ダイジェスト>4月3日~4月9日

9日■金第1書記を国防第1委員長再任

 北朝鮮は、最高人民会議(国会に相当)第13期の第1回会議を開催し、金正恩・第1書記を国防第1委員長に再推戴(再選出)した。北朝鮮は2012年4月、最高人民会議第12期の第5回会議で初めて金正恩氏を国防第1委員長に推戴している。朝鮮中央通信は、「元首様は団結の唯一の中心、領導(指導)の唯一の中心」と伝えた。

8日■韓米日首席代表、北の核対応協議

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の韓米日首席代表は、米ワシントンで北朝鮮の挑発に対する共同対応策を議論した。協議には黄浚局・韓半島平和交渉本部長、米国務省のデービース北朝鮮担当特別代表、外務省の伊原純一アジア大洋州局長が出席した。3カ国首席代表は、北朝鮮が国際社会の警告を無視して挑発を続ける場合には、国連安全保障理事会と共に、厳しい制裁を加えるなど厳重に対処するとの立場を確認した。

7日■朴大統領が無人機対策強化を指示

 朴槿惠大統領は、青瓦台(大統領府)で首席秘書官会議を主宰し、北朝鮮から飛来したとみられる無人機が相次いで発見されていることや、北朝鮮が黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近で砲撃訓練を行ったことで、国民の不安が高まっていると強調し、一日も早く対応策を講じるよう命じた。また主要施設の警戒を強化し、安保体制維持に支障が出ないようにすべきと指示した。

6日■救助された北朝鮮船員と遺体送還

 韓国政府は、麗水沖で北朝鮮の乗組員16人が乗っていた貨物船が沈没した事故で、救助された3人と亡くなった2人の遺体を軍事境界線がある板門店経由で北朝鮮に送還した。韓国の海洋警察は、4日未明に北朝鮮の船員が乗ったモンゴル船籍の貨物船(4300㌧)からの遭難信号を受けて、貨物船や船員の捜索・救助活動を行い、貨物船が全羅南道麗水市の巨文島の南東約55㌔沖で沈没したことを確認した。残る11人の救助活動は継続中。

5日■仁川アジア大会の南北合同入場なし

 統一部・文化体育観光部・国務総理室などは協議を行い、今年9月に開かれる仁川アジア大会での南北単一チームの結成や合同入場、合同応援などについて、否定的な考えを示した。また仁川アジア大会の組織委員会が、聖火を韓国の漢拏山と北朝鮮の白頭山で同時採火することを進めていることについて、「北朝鮮の反応を見極めたうえで承認する」と、慎重に対処することを明らかにした。

4日■射程500㌔弾道ミサイル配備へ

 韓国軍関係者は、北朝鮮全域を攻撃できる射程距離500㌔の弾道ミサイルの発射試験に成功したと発表した。来年、実戦配備の予定。韓米両国は、北朝鮮の核とミサイル能力が向上したことを受けて、2012年10月、ミサイル指針改定で韓国軍の弾道ミサイルの射程制限を従来の300㌔から800㌔に延長していた。射程500㌔と800㌔の弾道ミサイルが配備されれば、韓国全域から北朝鮮の核施設やミサイル基地を攻撃する能力を持つことになる。

3日■有事作戦統制権移管、延期協議

 韓国と米国は韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官兼務)から韓国軍への有事作戦統制権の移管をめぐり、再度延期する方向であらためて移管時期と条件を協議している。外交筋は、「両国は現在の韓半島の安保状況や韓国軍の準備状況などを踏まえ、移管を再び延期することで一致した」と話した。17日から開催予定の韓米日の防衛実務者協議(DTT)に先立ち、韓米は15~16日にワシントンで韓米統合国防協議体(KIDD)会議を開き、有事作戦統制権の移管時期と条件に関し実務レベルの協議を行う。