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2015/06/05

<週間ダイジェスト>5月28日~6月3日

3日■弾道ミサイルの試験発射に成功

 韓国軍が北朝鮮全域を攻撃できる射程500㌔以上の弾道ミサイルを開発し、初の試験発射に成功した。12年10月に韓米が韓国軍の弾道ミサイルの射程を延ばすことに合意してから、2年8カ月での成功となった。国防科学研究所は、忠清南道・泰安の試験場でこのほど開発に成功した弾道ミサイルを試験発射した。国防部関係者は「射程800㌔以下で、北の全域を攻撃圏に収める」と説明した。早ければ年末にも陸軍ミサイル司令部の基地に実戦配備される。

2日■共同宣言記念行事、共催実現せず

 韓国と北朝鮮の民間団体が推進していた6月15日の共同宣言(南北共同宣言)15周年と8月15日の光復(日本による植民地支配からの解放)70周年を記念する南北共同行事は、共催が実現せず、南北が別々に開催することになった。北朝鮮側の準備委員会が、韓国政府を批判した上で同行事を北朝鮮・平壌とソウルでそれぞれ開催するよう求めるファクスを韓国側準備委員会に送ってきた。韓国側委員会は、共同行事開催に向けた実務協議を提案したが北朝鮮側は応じなかった。

1日■韓米両軍が合同対潜戦訓練を実施

 韓国軍と米軍は、済州島の東海上で過去最大規模の合同対潜戦訓練を実施している(3日まで)。訓練には韓国軍のイージス艦など哨戒艦級以上の12隻、潜水艦2隻、哨戒機P3C、リンクスヘリコプター、米軍の最新鋭対潜哨戒機P8ポセイドンなどが参加している。韓国海軍は、「敵の潜水艦挑発に備えるとともに、戦争継続能力で決定的な要素となる南方の海上交通路を保護する能力を強化することが目的」と説明した。

31日■THAAD配備、中国が懸念表明

 中国人民解放軍の孫建国副総参謀長は、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備について、正式に懸念を表明した。孫副総参謀長の発言に対し、韓民求・国防部長官は、「われわれの国益と安保上の利益を踏まえ、わが政府が主導的に判断して決定する」と強調し、米政府の要請があれば、同問題を協議するとの立場を伝えた。韓国政府はTHAAD配備について、米側からの要請や韓米間の協議、決定された事項はないとした上で、軍事的実務レベルで効用があるかどうかを判断しているとの立場を示している。

30日■韓日の国防相が4年ぶりに会談

 韓民求・国防部長官は、シンガポールで日本の中谷元防衛相と会談した。韓長官は会談で「韓半島の安全保障と韓国の国益に影響を及ぼす日本の集団的自衛権は、われわれの要請または同意なしには行使できない」と強調した。これに対し中谷氏は、「他国の領域内で自衛隊が活動する場合、当該国の同意を得ることが日本政府の方針であり、この方針は韓国にも当然適用される」と説明した。中谷氏が北朝鮮のミサイル基地に対する攻撃の可能性に言及すると、韓氏は「北は韓国の領土だ」とした上で、「(北朝鮮のミサイル基地を攻撃する際も)韓国の事前同意が必要だ」と強調した。

29日■米代表「対北圧力強化に中国同意」

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米国首席代表を務めるソン・キム北朝鮮担当特別代表は、「中国は、北朝鮮への圧力強化について中国側と同意した。中国は国連決議案を完全に実行していく過程で、われわれと協力している。この協力が今後も持続することを望む」と強調した。ソン・キム代表は、中国首席代表の武大偉朝鮮半島問題特別代表と会談し、6カ国協議再開を含めた北朝鮮問題を協議していた。

28日■炭疽菌誤送付、問題発覚後に通知

 生きた炭疽菌のサンプルが、米軍の研究所から京畿道・烏山の在韓米軍空軍基地に誤送付された問題で、韓国政府当局者は、「米国側は、外交部と国防部、疾病管理本部など韓国政府に対し、被害状況に関する措置や今後の措置計画などを知らせてきた」と明らかにした。在韓米軍が危険物質を搬入する際は、在韓米軍地位協定(SOFA)に基づき韓国の疾病管理本部に通知することになっているが、在韓米軍は不活性化された実験用サンプルと認識していたため、韓国政府に知らせなかったという。