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2000/09/01

<韓国経済>現代系列金融3社、AIGから1兆ウォン導入

 現代証券、現代投信証券、現代投信運用の現代系列金融3社は、米国系保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)を中心とする国際投資機関のコンソーシアム(共同企業体)と1兆1000億ウォンの資金を導入することで合意し、了解覚書(MOU)を交わした。今後はAIGなどが大株主として現代グループと共同で3社の経営に当たることになる。

 現代証券の李益治会長と現代投信証券の李昌植社長はこのほど、米ニューヨークで会見し、AIGグループから外資1兆1000億ウオンを誘致し、共同経営することになったと明らかにした。

 今回結ばれた覚書は、今年6月に現代証券と国際コンソーシアムが締結したものを土台に、投資金額を増やしたもので、すでに経営権を委譲することになっていた現代投信運用のほか、現代投信と現代証券も国際コンソーシアムが大株主として経営に参加する内容となっている。

 外資系金融が、このような特定グループ系列の金融機関をまとめて買収するのは初のケースとなる。金融当局は、表面上は現代グループとの共同経営のかたちをとっているが、事実上AIGが経営権を行使するのは間違いないと見ている。

 AIGコンソーシアムは、6月21日の合意に基づき、現代投信証券と現代投信運用の普通株と優先株をそれぞれ3000億ウォンで買収する。また現代証券については、今回2000億ウォンを出資するとともに、将来普通株に転換する権利がついた5000億ウォンの劣後債券(破産宣告を受けたときに元利金の支払い順位が低い債券)を発行し、これをAIGが引き受ける。

 今回の合意によって、AIGコンソーシアムは現代証券株式の23・7%を確保、筆頭株主となり、事実上の経営権が現代から離れることになった。また、外資導入と経営刷新で破綻状態にある現代投信証券、現代投信運用の立て直しが可能になるとみられ、現代は市場での信頼性を回復できると期待している。

 外資系の金融機関買収はリージェント証券、グッドモーニング証券に次ぐもの。支店だけで250カ所に達する国内最大の営業網をもつ現代証券が外資系の傘下に入ったことで、国内の金融市場に大きな影響が出るもようだ。