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2001/07/13

<韓国経済>銀行の上期収益回復

 金融監督院によると、国内22の銀行の上半期実績(速報値)は、大邱銀行、済州銀行の2行を除き黒字を記録した。銀行全体の収益は前年同期比2兆903億ウオン(332・7%)増の2兆9785億ウオンとなり、過去最高を達成、金融の構造調整の成果が表れている。

 銀行別に上半期の実績をみると、国民銀行と住宅銀行がそれぞれ前年同期の2・8倍、1・4倍の収益を達成、1、2位を占めた。新韓銀行は319億ウオン増の2581億ウオンで8位となっている。

 成長率では、韓美銀行が昨年上半期の132億ウオンから1300億ウオンに収益が増え、9・84倍の伸びを記録した。公的資金が投入されたハンビット、農協、光州、慶南、平和、産業なども黒字転換を果たした。

 一方、大邱と済州銀行は貸倒引当金の積み立て負担が増え、403億ウオンと120億ウオンの赤字を出した。

 銀行が上半期に史上最高の利益を上げたのは、昨年、貸倒引当金を多く積み立て、財務の健全性を高めたことと、信用カードの普及で手数料収入が増えたことによるもの。特に信用カード関連収入が昨年より49%も増え、収益増大に大きく貢献した。

 政府と銀行関係者は、上半期の黒字経営が下半期も続くと見ている。昨年、銀行は貸倒損失償却(10兆7800億ウオン)と不良債権処理を通じて、不良貸出比率を8・0%まで引き下げた。

 また低金利で利子収益の増大は望めないが、信用カード関連の手数料(信販、代金決済およびカードローン、現金貸出サービス手数料)収入、各種公共料金の払込手数料などの収入が大幅増える見通しだ。銀行は上半期に約2兆4000億ウオンの手数料収入を確保、昨年同期比48・6%も増えた。

 一方、建設業者の不渡りで403億ウオンの赤字を出した大邱銀行は、昨年末11・69%だったBIS比率が、3月末には10・2%に落ち込んだ。不良債権の増大を食い止めるため、手当てが必要だ。