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2001/06/22

<韓国経済>中国マネーを狙え

 早ければ年内にも中国に新しく開設される株式市場「チャスダック」に、韓国企業が熱い視線を送っている。チャスダックは、IT(情報技術)関連など技術系先端企業の株式売買の活性化を狙って中国が新設するもので、韓国企業は新しい資金調達先として期待をかけており、すでに韓国のベンチャー約100社とベンチャーキャピタル10社がチャスダックへの登録準備を進めている。

 チャスダックは10月に関連法案が通過するとみられ、早ければ年末、遅くても来年には開設される見通しだ。

 チャスダックに対する韓国の期待が大きいのは、中国の資本市場が急成長を遂げているためだ。開設されて10年たらずの上海証券取引所には1200社が上場し、時価総額は約700兆ウオンで世界11位、韓国の3倍にもなる。個人投資家は6000万人に達し、今後も増える傾向にある。

 チャスダック登録を推進中の中国企業は2000社におよび、米国や日本など世界の証券市場が低迷している中で、中国資本市場の活気はダントツだ。チャスダックが開設されれば、さらに株式市場は活況を呈すると期待されている。

 すでに中国では、チャスダック開設に対する投資家の期待感を反映し、上海証券取引所に上場したソフト開発・流通業者の用友の株価は3日で90倍の伸びを示すという現象まで起きている。

 中国市場をねらい日本のソフトバンク、米アイディジーグループ、マッケンジーなど海外投資機関の動きも活発だ。また、800兆ウオンといわれる中国の個人預金も、新しい投資機会をうかがっており、チャスダックは爆発的な人気を呼ぶと専門家は見ている。

 こういったチャンスを生かそうと、韓国のベンチャー企業は、チャスダック登録に前向きだ。特に韓国企業は、中国企業に技術供与する代価として合弁会社を設立し、この合弁法人のチャスダック登録をねらっている。韓ビジョン、マグネチックソリューションなど18社は、この形態で中国進出を図っている。

 昨年7月に香港に資本金400万㌦でTGアジアベンチャーズを設立したTGベンチャーなどのベンチャーキャピタルも、チャスダック開設を好機とみて中国への投資に力を入れている。国内のIT産業が停滞状態にあるため、ベンチャーキャピタルは中国に活路を見いだす考えで、今月末に結成される200億ウオン規模の海外投資組合も、中国に進出する韓国企業などに積極的に投資する方針だという。