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2001/01/19

<韓国経済>昨年の造船受注、世界発注量の半分超す

 韓国の造船業界が今年も独走体制を維持しそうだ。現代重工業、サムスン重工業、大宇造船など造船業界は昨年、全世界の発注量300億㌦の半分以上の157億㌦を受注し、単一国家では史上最大の受注実績を記録した。これに伴い昨年の売上高は50%以上伸びた。また船舶は受注してから3年間は作業が続く特性があるため、2002年、2003年と売上・純益が大幅に増えると予想されている。

 現代重工業は昨年、前年比50%増の51億㌦相当の受注実績を上げ、世界トップの造船所となった。現代は、大型タンカー(VLCC)8隻と液化石油ガス(LPG)船5隻のほか大型コンテナ船などを受注した。

 サムスン重工業も36億㌦で過去最高の受注実績を記録し、世界2位の造船所としての地位を固めた。昨年は、大型コンテナ船、VLCC、液化天然ガス(LNG)船、シャトルタンカー、旅客船などを受注し好調だった。

 大宇造船は、会社分割が遅れ、長期化するなど構造調整作業につまずくなかで、35億㌦相当を受注。特に大宇は、現代、サムスンなどを抑えて、VLCCの受注では業界トップとなり、タンカー部門で実力を示した。

 造船業界が史上最大の好況を迎え、造船関連の中小企業も仕事量が大幅に増えるなど恩恵にあずかっている。
 また、現代エレベーターは、船舶用エレベーターの需要が急増し、昨年は600万㌦相当を受注した。今年は船舶用だけで800万㌦の売り上げが期待されている。

 造船機資材専門業者のオリエンタル精工は、新年早々、2年分の仕事を確保し、今後の受注を打ち切っている状態だ。同社の関係者は、「押し寄せる仕事で、昨年は約400人を新規雇用し、人員を1500人に増やしたが、依然として人手不足状態だ」と話している。

 造船機資材協同組合によると、造船関連機資材の国産化率は90%以上に達しており、最近の造船景気で、釜山・慶南地域の下請け中小企業約1000社も好況に沸いている。