ここから本文です

2002/07/05

<韓国経済>消費者金融参入相次ぐ

 年間150兆ウオン規模の消費者金融市場に国内銀行と日本の消費者金融、米・欧州系金融機関が相次いで参入する。金融界によると、私債市場が急速に膨張しているなか、都市銀行が本格的な個人ローン事業に乗り出しており、日本最大の消費者金融・武富士も子会社を通じて参入する構えだ。国内外の金融機関の相次ぐ消費者金融市場進出は、金融業者の乱立や信用不良者の急増を招くと憂慮されている。

 中小企業銀行は、子会社を貸出専門会社にし、中小企業を対象にしたファクタリング事業を開始する。また米シティーグループが、消費者金融専門の子会社シティーファイナンシャル韓国支社(資本金200億ウオン)を設立、今月中旬から営業を開始する予定だ。

 国民銀行と韓美銀行は、100%出資の子会社を設立し、下期から個人ローンの営業に入る。朝興味銀行も自社商品を開発し、信用度の低い顧客を対象に高金利商品を投入する構えだ。

 さらに日本系のA&Oインターナショナル、フログレス、ハッピーレディー、パートナークジット、ウーマンクレジット、イエスキャピタルなど6社が99年下期から国内に進出し、年間数百億ウオンの利益を出しているといわれている。

 これを受けて今年4月にはM1クレジットとファーストマネーが新たに進出、下期には日本最大の武富士が系列の国際信販を韓国に上陸させる。国際信販は韓国消費者金融連合会(韓金連)に500億ウオン規模の資金を貸し出す方式で営業を始める予定だ。このほかアコム、プロミスなどの大手も韓国進出をねらっている。

 一方、新韓金融持ち株会社もフランスのBNPパリバグループの消費者金融会社セテルレムと合弁法人を設立、今月中旬にも市場に参入する。

 これまでクレジット金融に力を注いできたGEキャピタルも、今年下期から韓国に進出する計画だ。またGMが子会社のGMACを通じて韓国のクレジット金融と消費者金融市場への進出を検討しているといわれる。

 サムスンキャピタル、現代キャピタル、サムスンカード、LGカードなどの財閥系大手に続いて、連合キャピタルなど中堅クレジット金融会社も高金利融資で収益性が高い消費者金融に力を入れており、消費者金融市場は今後ますます過熱するもようだ。