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2003/09/12

<韓国経済>景気回復は第4四半期

  • keizai_030912.jpg

    韓国経済の現況について会見し、「底入れ状態が続いている」との見方を示す朴昇・韓国銀行総裁(左)

 朴昇・韓国銀行総裁は9日、記者団と会見し、「第3四半期の成長率が当初の予想(2・7%)を下回ると見られるが、第4四半期からは国内景気が本格的に回復するだろう」と述べた。朴総裁は、先進国の経済が回復に向かい、国内外の株式市場も上昇の波に乗っているのは明るい材料だと指摘した。ただし、労使紛争などで設備投資が低迷し、消費心理も極度に冷え切っていることから、先行きを楽観できないとしている。

 このような分析は、金振杓・副総理兼財政経済部長官が「第2四半期底打ち論」を強調したのと比べ景気の底入れ状態がさらに長引くとの解釈を示したもので、「U字型回復」になるとの見解を明らかにした。一方、韓銀は同日、金融通貨委員会を開き、先月に続き今月のコール金利をこれまでとおり年3・75%とすることを決めた。

 朴総裁は、韓国経済の現況について、次のように語った。

 輸出が好調で情報技術(IT)、建設、造船が好況だが、設備投資と内需の不振で依然として国内経済が回復局面に入っていない。第2四半期の底入れ状態が続いているとみる。

 第3四半期に入っても景気回復の兆しが見えないが、これは、主に労使紛争とカード債の問題など不安要因が大きく影響を及ぼしているためだ。しかし、米国、日本などの先進国の景気が回復傾向を見せ、世界の証券市場も上昇気流に乗っており、第4四半期には景気が上向く。

 金利については、引き上げるべきだとの議論があるが、これはソウル江南の不動産価格の高騰が原因で、解決には金利よりも社会改革が必要だ。金利の引き上げは、景気回復の速度にかかっている。景気が予想より早く回復し、物価に負担がかかれば金利を引き上げなくてはならない。しかし、いまのところ、その兆候はない。

 コール金利の引き下げ効果が出ていないと指摘を受けたが、効果が現れるにはある程度時間が必要だ。第4四半期からは本格的な効果が期待できるだろう。