ここから本文です

2003/07/11

<韓国経済>国土の不均衡発展解消へ

  • keizai_030711.jpg

    政府は「特区」構想によって首都圏と地方の経済格差の是正を図る(慶尚南道)

 来年から「地域特区制度」が本格的に導入される。政府が3月27日に経済運営計画を発表し、地域特区開発構想を明らかにして以来、すでに地方自治体から多様なアイデアが寄せられ、政府は検討に入っている。地域特区制度は、首都圏と地方の経済格差を是正するのがねらいで、その成果が期待されている。

 財政経済部は、地方自治団体が特区開発を申請し、関連規制の緩和を要請した場合、中央政府がこれを大幅に受け入れる「地域特化発展特別法」を年内に制定する計画であると発表した。

 地域特区は、地域別に競争力のある分野や有望産業を選定し、該当部門に対する規制を大幅に緩和して地域経済を活性化させる制度。なお、特区指定の申請を受けて審査し、政府が認可するば、規制緩和や撤廃を行うが、財政および税制支援は含まれない。

 また、同制度が地域の経済格差をなくすことを目的としているため、ソウルおよび京畿道は対象から除外されている。

 江原道では、海と山をテーマに、太白市など8つの市と郡が17地域特区の開発申請を行っている。太白市は、競犬場などゲーム産業を誘致するスポーツ特区を推進、洞窟などが点在する三陟市は、洞窟特区、洪川郡は愛犬特区を申請した。さらに東江が流れる寧月郡は、「東江生態特区」、韓半島の中心に位置する楊口郡は国土正中央特区を申請している。

 慶尚南道では、南海郡がスポーツ・休養特区の造成作業に着手し、伽泉タレンイ村を中心に生態体験観光特区、弥助面のタチウオ・カタクチイワシの刺し身センターを中心にした刺し身特区の開発に乗り出す。固城郡も、子供を対象に恐竜の足跡の化石を見学したり、ゴルフを体験できる子供恐竜ゴルフ教育特区を推進中だ。

 全羅南道では、唐津郡が?川面一帯を無農薬栽培を行う親和農耕特区、全国最大の緑茶産地である普城郡は緑茶特区を検討中だ。

 忠清道では、安眠島一帯を中国人観光客をターゲットにした国際観光特区として開発する計画で、全国各地にユニークな特区が誕生する。