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2005/06/10

<韓国経済>為替取引の自由化前倒し

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    為替取引の完全自由化が実現すれば海外からの資金調達が容易になる

 政府は、国際金融ハブをめざして2011年から予定していた為替取引の完全自由化を前倒しして実施することを決めた。これによって海外不動産の取得、海外からの資金調達など為替取引に対する各種規制が3年以内にほとんどが解除される見通しだ。政府はまた、株式市場の活性化を図るため、年金基金の運用の外部委託比率を大幅に拡大することも検討することにしている。

国民経済諮問会議は3日、青瓦台(大統領府)で盧武鉉大統領主宰による第1回金融ハブ会議を開き、韓国を国際金融の中心地(金融ハブ)に育成するための具体的な推進計画を確定した。

 同計画によると、政府は当初、2009-2011年に3段階の為替取引自由化措置を行い、緊急時のセーフガードを除くすべての為替取引規制を全面解除する計画だったが、経済環境の変化に応じて自由化時期を最大限前倒しすることを決めた。

 これによって、内国人の海外不動産投資、国内企業と金融機関の海外借り入れ、国内における外国人のウォン建て債券の発行、海外での金融派生商品取引など現在禁止されている事項が2007-2008年までにほとんどが解除されるもようだ。

 財政経済部関係者は、「今年下半期にタスクフォースを組織し、ケースごとに具体的な自由化時期を決定する」と明らかにした。

 政府はまた、企業の為替取引に対する一部の規制については、下半期中に解除することを決めた。これに伴い、国内外の企業は国内本社と海外支社間での短期運転資金の支援を行う場合、1日1000万㌦の限度内であれば、韓国銀行の許可や申告が免除される。

 また、前年度の輸出入規模が1億㌦以上の企業がLC(信用状)取引ではなく、現金決算方式で貿易を行う場合、用途や金額を裏付ける書類の提出を免除する。

 さらに政府は、金融市場のインフラを拡充するため、現在8・7%にすぎない国民年金の外部委託運用比率を大幅に増やし、他の年金基金の委託も拡大する計画だ。また、ムーディーズなどの格付け会社に対し、国内市場参入条件を部分的に緩和する。

さらに、先物市場での取引を活性化するため、委託証拠金に差を付け、半導体、原油などの先物商品を開発する一方、委託証拠金の外貨預託を認め、外国人投資の誘致を促進する考えだ。