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2005/05/13

<韓国経済>4月の輸出大幅鈍化

 4月の輸出増加率が大幅に鈍化し、2年ぶりに1ケタ台に落ち込んだ。これは、季節的な要因もあるが、ウォン高ドル安が大きく影響したと分析されている。その半面、輸入は順調な伸びをみせており、貿易収支の悪化が懸念されている。

産業資源部が発表した4月の輸出入統計(速報値、通関ベース)によると、輸出は231億5000万㌦で、昨年4月(214億8000万㌦)に比べ7・7%の増加にとどまった。これに対して輸入は211億9000万㌦に達し、昨年4月(188億3000万㌦)より12・5%増えた。

 輸出が1ケタの伸びにとどまったのは、過去2年間で2003年5月(3・5%)と今年2月(6・6%)に続いて3度目。しかし、今年2月の輸出不振は、旧正月の連休のせいで操業日数が少なかったのが原因で、これを考慮すると、4月の輸出増加率が1ケタ台に下がったのは事実上2年ぶりといえる。

 これに伴って、貿易収支の黒字規模は19億6000万㌦にとどまり、前年同月(26億5000万㌦)より6億9000万㌦減った。ただし、今年3月(14億6000万㌦)と比べると黒字が5億㌦増えている。

 輸出が落ち込んでいるのは、年初からの急激なウォン高ドル安が原因で、「Jカーブ現象」を警戒する声も出ている。Jカーブ現象は、ウォン高が始まった初期には輸出単価の引き上げで輸出額が増えるが、時間が経つにつれて輸出量が停滞し、輸出額が減る現象を指す。

 産業資源部は、先月の輸出増加率が大幅に低下した原因について、昨年4月の増加率が36・7%と高かったうえ、ウォン安が急速に進み、国際原油高の高騰も悪材料として作用したと分析している。