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2005/04/01

<韓国経済>国内の景気沈滞で海外に目

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    アジア向け投資が最も多く全体の40%を占めている(現代自動車インド工場)

 財政経済部は、韓国の海外直接投資の累計額が400億㌦を突破したと発表した。2002年11月末に300億㌦を超えて以来、2年4カ月ぶりに400億㌦の大台に乗った。海外投資が増大しているのは、最近の国内の低金利基調と景気沈滞などで企業が国内投資を避け、積極的に海外に進出する傾向が強まっているためとみられている。
 
 財政経済部によると、統計が開始された68年以降、今年2月までの海外直接投資残高(総投資額から投資回収額を差し引いたもの)は総額402億3309万7000㌦にのぼり、史上初めて400億㌦を突破した。
 
 海外投資は、80年末でわずか1億2000万㌦に過ぎなかったが、88年6月に10億㌦、95年11月に100億㌦を超え、市場開放と韓国企業の海外進出が加速化した90年代末から急速に増加した。特に通貨危機以降、海外への直接投資が活発になり、98年11月から現在までの投資残高は200億㌦に達し、通貨危機以前の30年間の金額と同じ規模になっている。

 地域別ではアジア各国への投資が最も多く、172億6986万㌦で全体の43%に達し、北米110億422万㌦、欧州67億5606万㌦、オーストラリア8億2693万㌦。業種別では製造業が213億3334万㌦でトップ、次いで卸小売業89億463万㌦、サービス業38億27万㌦、鉱業21億8845万㌦と続く

 また、大企業が276億5475万㌦で3分の2を占め、中小企業は109億9544万㌦、個人15億8289万㌦となっている。

 政府関係者は、「中国への持続的な投資拡大と米国など先進国の景気好転で海外投資が大幅に増え、特に最近は大型投資が目立つ」と分析している。