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2005/03/11

<韓国経済>水素エネルギーに転換

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    政府は石油の枯渇や環境問題に対応して、今年から脱石油プロジェクトを推進する

 石油、石炭などの化学燃料に依存している国内の経済構造を無公害・無限エネルギー源の水素に転換するための国家プロジェクトが本格的にスタートする。産業資源部は、青瓦台(大統領府)で盧武鉉大統領に今年の業務計画を報告し、その中で上半期中に水素エネルギー時代に対応するための総合対策を準備する方針を明らかにした。

 産業資源部によると、水素プロジェクトは5カ年単位で推進し、水素エネルギー技術の開発とそれに伴うエネルギー構造の改編、インフラ構築と産業化に力を注ぐ。

 このような総合計画を基盤に、今年は技術開発とテスト事業に1000億ウオンの予算を投入、80㌔㍗の燃料電池車と多目的燃料電池ロボットの開発、250㌔㍗級の燃料電池発電所の建設などに取り組む。

 一方、産資部は、蔚山沖の東海・第1ガス田で南西5・4㌔の地点にある「コレ・8」鉱区近辺で80万㌧規模のガス田を発見したと明らかにし、経済性を調査したうえで、早ければ2007年から商業生産に入る計画を明らかにした。

 産資部が盧大統領に報告した「水素経済転換戦略」は、2040年と予想される石油・石炭など化学燃料の枯渇に備えるとともに、国際的な関心事となっている地球温暖化防止対策で環境規制が厳しくなるのに対応するのがねらいだ。これによって、原油価格が上昇するたびに、国家経済が動揺する石油依存型経済からの脱皮を図る。

 水素エネルギープロジェクトは、産業・経済活動に必要なエネルギーのすべてを水素でまかなうことをめざす。初期の開発費用は膨大だが、水素を利用した燃料電池を使えばエネルギー効率が従来の2倍以上に高まり、水素は水から生成できるので、無限に生産でき、コストも安い。

 2010年には水素エネルギー市場が、現在の半導体市場の3倍の1000億㌦に拡大する見込みで、米国、日本、欧州などの先進国が開発にしのぎを削っている。

 産資部は、今年を「水素経済転換元年」と定め、早急に総合計画を立て、民間企業と共同で投資や技術開発を促進していく考えだ。