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2006/12/01

<韓国経済>ほぼ全国民がケータイ所有

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    移動中の車両の中でもインターネットが利用できるワイブロなどの登場でケータイの普及が急速に進んだ

 韓国の携帯電話利用者が4000万人を突破した。84年にアナログ式の移動体通信サービスが登場して以来、急速に携帯電話が普及し、いまや国民(約4850万人)の10人に8人が携帯電話を持っている計算になる。赤ちゃんや高齢者を除くと、ほぼすべての国民がケータイを利用していることになり、韓国は文字通りのIT(情報技術)王国になったといえよう。

 移動体通信3社(SKテレコム、KTF、LGテレコム)によると、国内の携帯電話サービス加入者が4000万人を突破した(11月24日基準)。会社別の加入者数は、SKテレコム2017万人、KTF1286万人、LGテレコム697万人。1日平均6000人ずつ増えている。

 韓国での移動通信サービスは、84年に車両用の携帯電話が導入されたのが始まり。その年の加入者は2658人に過ぎなかった。ところが、96年にはデジタル通信サービスの開始とともに、加入者が289万人に増加。97年には韓国通信フリーテル(現KTF)、ハンソルPCS(KTFと合併)、LGテレコムなどが市場に参入し、加入者は急増した。98年6月には、1000万人に達し、99年8月には2000万人、2002年3月には3000万人を突破した。

 ケータイの急増によって、関連産業も急成長している。音声通話機能をはじめ、メール、着信音サービスなどのデータサービスが普及し、移動中に超高速インターネットが利用できるワイブロ(携帯インターネット)、HSDPA(高速下向パケット通信)などの先端サービスも登場。端末機メーカーが、カメラ付き、音楽プレーヤー付きなどの高機能モデルを次々と発売し、普及を煽った。

 その一方で、ケータイの弊害も少なくない。 一世帯当たりの移動通信料金は月20万ウォンを超え、相次ぐ新機種の登場で頻繁に買い替える若者も多く、家計負担が重くなっている。また、青少年に悪影響を与える有害サイトも大きな社会問題となっている。