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2007/05/18

<韓国経済>韓国アルプスが創立20周年・韓国電子産業に寄与

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    創立20周年記念式典で、あいさつする韓国アルプスの小泉博美社長

 韓国電子産業の発展に大きく貢献してきた電子部品メーカーの韓国アルプス(ALKO)が15日、光州市(全羅南道)にある同社本社で創立20周年記念式典を開催した。同社は20年前、総合部品メーカーである日本のアルプス電気が設立した韓国進出企業。積極的に技術移転を進め、雇用創出など地元光州経済をリードする企業に成長している。

 アルプス電気(片岡政隆社長、本社・東京都大田区)は早くから韓国の経済成長に注目、1970年に金星社(現LG電子)との合弁会社「金星アルプス」を設立、電子部品を製造してきた。その実績をもとに20年前の87年、「韓国アルプス」を設立した。

 本社のアルプス電気は、車載電装製品、高周波通信用デバイス、コンピューター周辺機器、磁気ヘッド、コンポーネント製品など、民生機器から産業機器まで、様々な重要部品を生産する総合電子メーカー。

 韓国アルプスもこのような部品の生産技術力をもとにさまざまな部品を製造。特に「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造する」との企業理念のもと、ISO9001、QS9000、ISO14001の認証を取得するなど、優れた品質開発と先進的な環境経営で顧客満足を実践してきた。特に環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証対象は、車載用部品、小型電源の開発・設計・製造・サービス、音声映像機器用電子製品などの韓国アルプスの製造品目すべてとなっている。

 式典のため訪韓したアルプス電気の片岡政隆社長は祝辞で、「韓国電子産業の発展に部品の技術移転で寄与するという精神で多額の投資と人材を投入してきた」と語り、開発から組み立てまでの一貫生産を実現した苦労をねぎらった。

 今年4月に就任した韓国アルプスの小泉博美社長は記念式辞で「自立成長企業の実現を目指し、果敢にチャレンジして新しい歴史を作り上げて行こう」と述べた。

 韓国アルプスはアルプスの海外法人の中でも営業から開発、設計、金型生産、部品製造、組立製造と一貫生産体制を構築するなど、全ての機能を持っているモデル法人として発展してきた。

 地元光州市で20年間、企業活動を展開、刮目すべき収益創出と雇用増大を実現。光州市地域経済を牽引するリーダー企業と評価され、外国人投資企業賞、新労使文化優秀企業賞などを受賞した。

 式典後、潭陽ホテルでの祝賀式に参加した朴光泰・光州市長は祝辞で「韓国アルプスが世界超一流企業として成長することを140万光州市民と共に祈りたい」と謝意を表した。


◆ 片岡 政隆・アルプス電気社長 ◆
    ――開発・人材で手ごたえ――

 韓国アルプスは、創立以来、一貫して「より高いレベルの技術を韓国内に移転していこう」という方針のもと、多額の投資と人材を投入してきました。また、今日に至るまで、幾多の困難な局面がありましたが、その時々の関係者の英知と強い団結の下、難局を乗り切ってきました。アルプスは、海外各国に生産展開していますが、韓国アルプスのように、営業から開発、金型、部品、組立までの一貫生産を実現している法人はありません。

 現在のレベルの技術、製品、サービスに満足せず、「自分たちの会社は自分たちで守る」という気概で、さらに発展していってもらいたいと思います。

◆ 小泉 博美・韓国アルプス社長 ◆
    ――自立成長企業へ挑戦――

 成人となった韓国アルプスが、自立成長企業になるための目標があります。それは、自主開発製品による国内ビジネスの拡大、委託事業の比重を引き上げ、他の海外法人との連携強化の3つです。ウォン高など韓国アルプスを取り巻く環境は厳しいです。経験と団結力で挑戦していきます。

◆ 朴 光泰・光州市長 ◆
    ――地域経済のリーダー――

 地域に根付いて20年、収益創出と雇用増大を通じて地域経済を主導する企業に成長されたことに、敬意を表します。韓国アルプスは地元光州を代表する外国人投資企業です。これからも貴社が思う存分企業活動を展開し、安心して光州に投資できるよう、サポートする所存です。