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2007/11/30

<韓国経済>東海でガスハイドレート発見

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 産業資源部が、東海(日本海)の鬱陵海域で世界最大規模(推定埋蔵量6億㌧)のガスハイドレート(気体包接化合物)層を発見したと明らかにした。ガスハイドレートは、永久凍土や深海底のような低温・高圧の状態で天然ガスと水が結合し形成された固体ガスのことで、「燃える氷」といわれ、未来のエネルギーとして脚光を浴びている。産業資源部は、来年から本格的な採掘技術の開発に乗り出し、2015年をめどに商業生産に入る計画だ。

 ガスハイドレートは、常温でドライアイスのように気体を発する。この気体はLNG(液化天然ガス)などの主成分であるメタンガスで、火をつけると燃える性質がある。このため、石油や石炭などの化石燃料に替わる新しいクリーンエネルギーとして注目されている。二酸化炭素(CO2)排出量は化石燃料の24%にすぎず、地球温暖化の抑制にも役立つ。ガスハイドレート事業団が、鬱陵海域の水深1800㍍以上の海底3地点でボーリング探査を実施したところ、浦項から北東へ135㌔離れた地点で厚さ130㍍という大規模なガスハイドレート層を発見した。これは、韓国より早くボーリングに成功している日本、インド、中国の50-80㍍層を大幅に上回り、世界最大規模となる。

 政府と事業団は、今年6月にガスハイドレートの採取に成功し、世界最大の地盤調査会社であるオランダのフグロ社が製作した先端ガスハイドレートボーリング船を利用し埋蔵量の確認作業を進めてきた。この地点から北へ9㌔の地点でも厚さ100㍍、南へ42㌔の地点でも厚さ1㍍の層を発見した。

 産業資源部によると、ガスハイドレートの発見は、米国、日本、インド、中国に続き世界で5番目。今回発見した3カ所以外にも賦存している可能性が高く、この海域には6億㌧を超えるガスハイドレート層があると推計されている。これは韓国のガス消費量(年間2000万㌧)の30年分に相当し、本格的な商業生産に入れば、韓国にエネルギー革命が起きると期待される。産業資源部と事業団は、今回のボーリングと来年実施する精密探査の結果を合わせて来年上半期中に「第1次ガスハイドレート埋蔵量」を発表する予定だ。