ここから本文です

2007/11/16

<韓国経済>コーロン・太陽光エネルギーに参入

  • keizai_071116.jpg

    次世代エネルギーとして脚光を浴びる太陽光発電。参入企業が増えている(慶尚南道・密陽)

 コーロングループが、次世代成長動力の確保に向け、太陽エネルギー事業に本格的に進出する。京畿道・果川本社で開かれた技術戦略会議で同グループの李雄烈会長は、「環境・エネルギーは、水とともに、わがグループの2大成長動力だ。太陽光は環境・エネルギーの核になる」と強調し、太陽光エネルギーを主力事業に育成していくことを明らかにした。

 これを受けてコーロングループは、太陽電池の開発に乗り出した。通常のシリコン太陽電池とは異なり、植物の光合成のように有機物を分子レベルで光化学反応させることによって光発電を効率よく行う有機太陽電池を手がける方針だ。このため、光州科学技術院(JIST)のヒーガー新素材研究センターと共同研究を進め、2010年までに有機太陽電池を商用化する計画だ。

 ヒーガー新素材研究センターは、有機太陽電池などの次世代エネルギーの研究に力を注いでおり、2000年にノーベル化学賞を受賞したアラン・ヒーガー米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授がセンター長を務めている。

 またコーロンは、建物の外壁を薄い太陽電池で覆う建物一体型太陽光システム(BIPV)事業にも進出する方針だ。太陽電池パネルを設置する既存のシステムと違い、建築物の美観を損なわないのが特徴だ。これに伴いコーロンは、同事業のためにソーラーサーキット(外断熱・二重通気工法)を開発した日本のカネカ(旧・鐘淵化学工業)と素材供給に関する覚書を締結した。

 さらに、来年までに慶州・マウナオーシャンに1メガ㍗級の太陽光発電所を建設することを決定した。

 韓国企業でシリコンではない有機化学物を材料にした有機太陽電池の開発に乗り出すのはコーロンが初めて。有機太陽電池は、既存のシリコン太陽電池と違い、折り曲げることができ、コストも安いことから、各種消費財などに幅広く適用できることから、今後の成長が有望視されている。

 最近の原油の高騰と地球の環境汚染問題で、コーロン以外にも、新成長動力として太陽光エネルギーに進出する企業が増えている。現代重工業、東洋製鉄化学、LG、CNS、KCCなどが太陽電池素材開発、電池の製造、発電所の建設などに乗り出しており、本格的な新エネルギー開発時代を迎えている。