ここから本文です

2007/08/10

<韓国経済>トルコに軍事訓練機輸出

  • keizai_070810.jpg

    トルコと55機の輸出契約を結んだ国産訓練機KT-1。最高時速574㌔で飛行し、軽攻撃機としても活用できる

 韓国で独自に開発した軍事訓練機が大量に海外に輸出される。韓国航空宇宙産業(KAI)は4日、トルコ政府と訓練機「KT-1」の輸出契約を締結、2013年までに55機(5億㌦規模)を供給すると明らかにした。これは、韓国の航空機史上最大の輸出規模で、防衛産業の輸出としても史上2番目となる。航空業界は、今回の契約をきっかけに、今後、海外からの訓練機の受注に拍車がかかり、国産航空機の大量輸出時代を迎えると期待を膨らませている。

 KT-1は、ライバル機種の米T-6、ブラジルのエンブラエルEmb-314を押し退け、トルコの訓練機に選定された。同機は1000億ウォンをかけ、国防科学研究所の主導で1988年に開発に成功、98年から生産に着手し、2000年1月から量産に入り、韓国空軍に納入されている。

 空軍はKT-1を主力戦闘機の操縦士養成に活用している。同機は爆弾やロケット弾などの兵器を搭載することができ、実戦に配備できるという特徴を持つ。朴在漸・KAI航空機輸出本部長は、「これまで米国製訓練機を使ってきたトルコが、韓国製に切り替えたのは、KT-1が優れた機能を持ち、実戦でも役立つ効率性を高く評価したためだ」と自信を深めている。

 CAD/CAM(コンピューター援用設計・生産)で生み出されるKT-1は、最高時速574㌔で、連続5時間の飛行が可能だ。最大の特徴は、武装能力を持った戦術統制機「KO-1」に転換できる点だ。

 KAIは、航空機の積極的な輸出拡大を図っている。2010年までに先端電子機器を備え、武装を強化したKT-1の改良機「KT-1C」を開発し、海外への売り込みを強化していく計画だ。KAIによると、トルコのほかにも、中南米から麻薬掃討用として引き合いが来ており、今後の追加輸出が有望だという。

 一方、KAIが主力事業として推進中の超音速高等訓練機「T-50」も、年内に輸出1号の成果が表れる見通しだ。KAIによると、UAE(アラブ首長国連邦)とT-50(約60機)の輸出商談を進めており、年末ごろに結論が出るという。また、KT-1を改良し、各種兵器を搭載した軽攻撃機「XKT-1」をグアテマラやメキシコなど中南米諸国に輸出する計画だ。これによってKAIは、2010年までに航空機で世界ベストテン入りをめざす。