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2008/02/15

<韓国経済>米メキシコ湾とコンゴで原油生産

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 韓国石油公社が米国のメキシコ湾沖と西アフリカのコンゴ共和国で、推定埋蔵量が計9000万バレル規模の油田の権益を取得した。この埋蔵量は、韓国の石油消費量の43日分に相当し、政府の戦略備蓄量(7600万バレル)よりも多い。これまで韓国が手がけてきた油田は探査段階のものが多く、原油の生産に時間がかかったが、今回の油田はすぐに生産まで着手でき、大きな成果が期待される。

 産業資源部によると、韓国石油公社がサムスン物産と手を組んで韓国コンソーシアムを形成し、米ルイジアナ州ニューオーリンズで米テイラーエネルギー社が保有するメキシコ湾一帯の海上油田5カ所の開発権を取得する契約を締結した。これら5油田は、メキシコ湾の水深20-200㍍に位置し、可採埋蔵量は計6100万バレルに達する。

 コンソーシアムは、10億㌦以上を投資し、これら油田の開発権の100%を買収した。持ち分率は、韓国石油公社が80%、サムスン物産が20%。すでに油田では1日当たり1万7000バレルを生産しており、これまで韓国企業が海外で確保した油田の中では最大規模となる。2009年までは1日当たり1万9000バレルまで生産量を拡大でき、4年で投資額を回収できる見込みだ。

 昨年12月に韓国石油公社などエネルギー関連の公企業と投資契約を締結した国民年金基金も、この油田に投資する意向を示している。韓国石油公社の持ち分の一部を引き受ければ、国民年金の海外資源開発第1号となる。

 一方、韓国石油公社は、パリで英国系石油ガス開発会社チュローオイルが保有するコンゴ共和国のエンブンディ油田の権益11%を4億3000万㌦で買収する契約を結んだ。エンブンディ油田の残存埋蔵量は2億6600万バレルで、1日の生産量は4万バレル、西アフリカの陸上鉱区の中で2番目に大きい。韓国は、2900万バレル、1日当たり4400バレルを確保したことになる。

 今回の油田の権益取得によって、原油・ガスの自主開発率(全体輸入量に占める韓国企業の開発量)は4・92%となり、昨年(4・2%)より0・72ポイント高まった。昨年の韓国の原油輸入量は8億7000万バレル。

 また、韓国が権益を持つ油田は、今回の2カ所に加え、英北海キャプテン油田、ペルーの8油田、インドネシアのSES油田など11カ所に増えた。