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2008/02/01

<韓国経済>錦湖アシアナ・大韓通運を傘下に

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    MOUを交わし握手する関係者(左から徐綜郁・大宇建設社長、李国東・大韓通運社長、姜柱安・アシアナ航空社長)

 錦湖アシアナグループが、ソウル・中区の大韓通運ビルで大韓通運と買収に関する覚書(MOU)を交換した。錦湖アシアナは2月15日まで資産調査を行い、3月5日に本契約を結ぶ予定だ。大韓通運の買収によって錦湖アシアナは、建設・レジャー、製造(化学・タイヤ)、航空・運輸・物流の3部門に核に事業の拡大を図る。

 錦湖アシアナは、昨年からグループ活性化の起爆剤として大韓通運の買収に力を注いできた。朴三求・錦湖アシアナ会長は、大韓通運の買収に関心を示していた主要グループの総帥と接触し、国民銀行、ウリ銀行、国民年金などの金融機関、昨年末に買収意向書を提出した農協、暁星、ユジン資産運用(旧・ソウル資産運用)をコンソーシアム(共同企業体)に引き入れることに成功。巨大な連合軍を構成し、4兆ウォンを超える買収資金の調達負担を減らした。

 錦湖アシアナ関係者は、「農協、暁星などを取り込むために、全方位の説得工作を展開した」と話す。05年に買収した大宇建設を大韓通運買収の先頭に立たせることも奏功した。大宇建設は、リビアで5つのプロジェクトを推進し、同国政府と友好な関係を保っており、大韓通運のリビア大水路工事を引き受けるのに最もふさわしい企業とみられていた。

 こういった戦略によって錦湖アシアナは、産業銀行やハナ銀行と組んで入札に参加したSTXや韓進を抑え、優先交渉相手に選ばれた。

 大韓通運は、資産規模1兆4613億9700万ウォン、売上高1兆6100億ウォン(07年、連結基準)の韓国を代表する物流企業。2000年11月から法定管理(会社更生法)の適用を受けているものの、陸上輸送を主体に、宅配、レンタカー、物流のアウトソーシングなど多彩な事業を展開。全国に豊富な不動産(評価額約9000億ウォン)も所有している。

 全国に40支店、500店舗、米国や中国など海外に約200の事務所を構え、社員数は全世界で6000人(国内4180人)に達する。1983年に大型海外建設プロジェクトのリビア大水路工事(33億㌦規模)への参入をきっかけにM&A(企業の合併・買収)の対象として注目されるようになった。同工事に東亜建設と共同で参入したが、2000年11月に東亜建設が倒産し、連帯保証人になっていたため大韓通商も法定管理に置かれた。