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2009/11/27

<韓国経済>韓国政府・175項目の規制改革推進

  • 韓国政府・175項目の規制改革推進

    規制緩和により国宝文化財の景福宮で国際会議が開催できる見通しだ(ソウル・慶會樓)

 韓国政府は新成長動力を育成するため、175項目の規制改革方針を発表した。今後5年間に24兆5000億ウォンを投じ、新・再生エネルギーや観光など17分野を育成する過程で障害となる各種規制を取り除くことが目的だ。これにより、景福宮(キョンボックン)など国宝級の文化財施設や博物館でG20(20カ国・地域)首脳会議の晩餐会などが開催できるようになるなど規制緩和が大幅に進む見通しだ。

 鄭雲燦(チョン・ウンチャン)・国務総理主宰の規制改革委員会が確定した「新成長動力を拡充するための規制改革推進課題」によると、改革分野の内訳は、新・再生エネルギー(15件)、放送通信融合(24件)、グリーン輸送システム(16件)、観光(14件)、グローバル教育(27件)、グローバルヘルス(31件)、バイオ・医療機器(22件)、その他(26件)などとなっている。分野ごとに時期は異なるが、遅くとも2011年末までにこれら規制改革を完了する方針だ。

 なかでも、技術開発に関する規制改革を最優先に進める。技術開発の進展にもかかわらず、いまだ技術・安全基準が設けられていない分野、たとえば、水素燃料電池自動車を普及させるために充電所設置に関する安全規定などを新設する。

 知識経済部は、既存発電所の敷地内に風力などの新・再生エネルギーの発電所を建設する場合は、現在3000㌔㍗以上に義務化している許可申請を、容量に関係なくすべて免除する方針だ。

 国土海洋部は、無人電車などのライトレール(軽電鉄)を普及させるため、施設の建設基準と事業手続きを整備する。一般電車より車体が5~6㍍短い軽電鉄に合わせ、ホームの規模や通信設備の基準などを整え、事業計画承認手続きも簡素化する。現在、ソウルの牛耳洞(ウイドン)~新設洞(シンソルドン)間路線や新盆唐(ブンダン)など9路線が計画されており、これらには無人運転システムが導入されるため、来月10月までに鉄道職員の乗車義務も緩和する。

 また、来年6月に道路法施行規制を改正し、都市公園内の建築物や坂などに太陽光発電施設を設置できるようにする。現在、都市公園に設置できる遊戯施設は10種類(シーソーやジャングルジムなど)に限定されているが、今後、バイキング場や回転木馬、ゴーカートなどの遊戯施設を設けられるように施行規制が改正される。さらに、観光産業の育成と新規需要を創出するため、文化財施設での晩さん会開催やLED(発光ダイオード)電光板の設置などを許可する。このほか観光団地への医療施設誘致や、病気・医療サービスの観光商品化も奨励する。

 国土海洋部は、クルーズ船の免許と登録手続き、通信用鉄塔設置のための許認可手続きを簡素化するなど、観光や放送通信分野の事業施行期間を短縮し、コストを削減できるよう、行政手続き上の規制緩和を進める。

 保健福祉家族部は、歯科のない総合病院に対し、沈滞歯科医院の開設基準を緩和する。ソウル大病院など国立大学系病院にマーケティング、人事、購買など病院経営のアドバイザーとなる経営支援会社の設立も認める。