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2009/05/15

<韓国経済>政府・産業銀行の民営化を推進

  • 政府・産業銀行の民営化を推進

    国策銀行として韓国経済の発展を支えてきた産業銀行の民営化が始まる

 国会で「産業銀行法改正案」が成立したことで、55年の歴史を持つ産業銀行が民営化される。今年9月までに商業銀行業務と投資銀行業務を担当する「産銀持ち株会社」と、従来の金融支援業務を引き継ぐ「韓国政策金融公社」に分割される見通しだ。産業銀行は商業銀行業務を強化するため一部大手銀行の買収を検討しており、今後、銀行界の再編が加速する見込みだ。

 このほど国会で成立した改正産業銀行法によると、政府は当面、持ち株会社の全株式を保有するものの、法律の規定により5年以内に売却するものの、年内に株売却などの民営化作業に取り掛かる方針だ。順調に進めば、法律で定められた期限の2014年5月前に民営化が完了する見込みだ。

 産銀持ち株会社は企業に政策金融を支援する従来の役割から脱却し、商業銀行業務を担う投資銀行へと衣替えする。一方、韓国政策金融公社も産業銀行の従来業務を引き継ぎながらも、民間企業に資金を融資し、間接的に企業を支援する政策金融機関となる。

 産業銀行の閔裕聖銀行長は、「持ち株会社発足後1~2年以内に株式の放出と上場を達成するのが目標だ」と語った。

 今後、政府が保有する株式を順調に売却することが、民営化への課題になる。政府は産銀持ち株会社の株式51%を当面保有し、残り49%を政策金融公社に出資する。政府は政策金融公社への出資分を先に市場へ売却する方針で、49%の持分を取得した投資家には2%の株式優先買収権を提供する案を検討している。

 これは「49+2%」方式と呼ばれ、政府としては売却価値を高めることがきる一方、49%の持ち分を取得した投資家も実質的な経営権を確保することになる。

 現在、産業銀行は企業の合併・買収(M&A)市場で70・8%のシェアを握るほど、投資銀行業務に強みを持っている。しかし、昨年末現在で店舗数は69店、ウォン建て預金残高は6兆6000億ウォンにとどまっている。全国に1245店舗を展開し、159兆ウォンの預金残高を誇る国民銀行との格差は大きい。

 したがって名実ともに商業銀行として生まれ変わるには、店舗網の拡大や、預金残高の拡充などが早急の課題だ。

 これに関連して産業銀行のある幹部は、外換銀行など市中銀行の買収に関心があることを明らかにした。この幹部は「民営化を前に、国民、新韓、ウリ、ハナなど大手銀行と対等に競争できる基盤を固めるためには、豊富な預金残高を持つ大手銀行の買収を試みる」と明言、「現在、売却を検討している外換銀行や、米国系で経営困難に直面している韓国シティバンクに関心がある」と語った。

 実際、他行の買収と産銀持ち株会社の株式売却が同時に進行すれば、政府と産銀がともに負担の軽減を図ることができる。産銀にとっては民営化作業を順調に進められる一方、政府も産銀株式の売却と銀行界の構造調整という「二兎」を追うことが可能になる。

 しかし金融界の一角では、強大な組織と人材をもつ産業銀行が民営化の過程で大手銀行を買収すると、他行の営業地域との衝突が避けられず、銀行界が過当競争に陥るのではないかと心配する声も上がっている。