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2009/05/29

<韓国経済>重工大手・風力発電事業に相次ぎ参入

  • 重工大手・風力発電事業に相次ぎ参入

    大企業の間で風力発電事業への投資を拡大する動きが広がっている(江原道)

  • 重工大手・風力発電事業に相次ぎ参入

 韓国の大企業が風力発電事業に相次いで本格参入している。サムスン重工業が米国で初めて出力2500キロワットの風力発電機の受注を獲得したほか、現代重工業が暁星などと組んで国内に100基を設置するプロジェクトを立ち上げた。韓国政府が環境・エネルギー分野に集中投資する「グリーン・ニューディール政策」を推進するなか、韓国企業の間で関連分野への投資を拡大する動きが加速しそうだ。

 サムスン重工は主力の造船業のほかに、風力発電機の開発を主力事業として育成する方針を決めた。2015年までに6000億ウォンを投じ、事業部を現行80人から1000人程度に増員して年間800基の生産体制を確立する。風力発電部門で年間売上高3兆ウォン、世界市場でシェア10%(7位)達成を目指す。長期的には年間1600基を生産できる組立工場を造成するプランもある。

 これにともない同社は、米風力発電会社のシエロとテキサス州に出力2500キロワットの風力発電機を2011年まで3基設置する内容の投資意向書(LOI)を交わした。シエロ社に供給する3基の価格は750万㌦。既存の米国製品に比べて、発電効率が1割ほど高く、耐久性も5年ほど長い25年である点が評価された。

 来年末までに陸上設置タイプのほかに出力5000キロワットの海上設置タイプも開発し、シエロ社に納品する予定だ。

 サムスン重工は今月4日から7日間、120社・3000余人の関係者が集まるなか、シカゴで開かれた「ウィンドパワー2009」国際展示会に実機の4分の1サイズに縮小した模型だけを展示し、受注獲得に成功した。

 1970年代、亀甲船が描かれた500ウォン札紙幣1枚を見せながら、船舶を受注して造船大国の基盤を造った故鄭周永・現代グループ名誉会長の「神話」を思い起こさせる快挙との声も産業界から上がっている。

 米国は総発電電力量のうち、わずか1%を占める風力発電の割合を2030年までに20%以上に引き上げる計画があり、同社のみならず投資効果が期待できる分野だ。

 発電事業などとは無縁だったサムスン重工が、模型ひとつで米国市場進出を果たした背景には、造船や建設などで培ったノウハウが認められたためと分析されている。風力発電に使われるブレード(風力を電力に変える回転羽)が船のスクリューに似ており、風力発電機の開発に応用することが可能になった。

 また、風力発電機の性能を左右する駆動装置や制御システムなどにも船舶建造で蓄積した技術を活用できる。風力発電の1キロワット当たり生産単価は平均107ウォンと、太陽光発電(500~600ウォン)の20%程度だ。同社にとっては既存のノウハウをもとに少ない投資で、風力発電事業を展開できるという強みがある。陸上設置タイプを中心に、米国はじめ中国やインドなどの面積が広い国家へ進出した後、2015年からは発電効率と騒音の両面で有利な海上設置タイプをアジアや欧州に売り込む。

 一方、現代重工と暁星は2012年までに9000億ウォンを投じて、2000キロワットの風力発電機100基を韓国内に設置する。両社が発電機を生産し、韓国南部発電が施設の運用を担当する。こちらも国内で実績を積んだ後、海外市場に進出する計画がある。