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2009/11/06

<韓国経済>輸入減少幅も縮小

  • 輸入減少幅も縮小①

    韓国の貿易黒字は通年で400億㌦に達する見通しで、日本を初めて追い抜くことが確実になった

  • 輸入減少幅も縮小②

 知識経済部が発表した「10月の輸出入動向」によると、輸出は前年同期比8・3%減の340億2600万ドル、輸入は同16・3%減の302億3200万ドルを記録。輸出減少率が前月(7・8%)に続き1ケタ台を維持し、輸入減少率が今年初めて10%台に低下した。貿易黒字は前月比9億ドル減の37億9400万ドルだが、輸入の減少幅が縮小し、「不況型黒字」から脱していると分析された。

 10月は、輸入の減少傾向に歯止めがかかり、輸入額が昨年10月以降初めて300億㌦を超えた。

 これにより貿易収支は9カ月連続で黒字を維持し、1~10月の黒字額は345億8300万㌦に達した。この流れが続くと、今年の貿易黒字は400億㌦に達し、1998年に記録した390億㌦を超え過去最高を記録する見通し。世界不況の影響で貿易黒字が200億㌦前後にとどまると予想される日本を初めて追い越すことになる。

 輸出部門では、液晶デバイス(パネルなど)が前年同期比39%増、半導体が同37%増と高い伸びを見せた。その半面、船舶(同9%減)や自動車(同24%減)、無線通信(同30%減)、鉄鋼(同31%減)など主力輸出品目は不振だった。1日平均で14億8000万㌦で、昨年10月以降では最大だ。

 地域別では、東南アジア諸国連合(ASEAN)への輸出が同9・0%増となり、今年に入り初めて増加に転じた。中国への輸出も3・4%増えたが、米国とEU(欧州連合)への輸出はそれぞれ37%減、19%減となった。先進国市場への輸出は依然として厳しい。

 輸入の減少幅が縮小したのは、原油などの原材料輸入が増えたことが原因だ。原油輸入量は9月の6800万バレルから10月は7430万バレルに増え、輸入価格も上昇した。これにより原油輸入額は48億7000万㌦から52億4000万㌦に、ガス輸入額も8億5000万㌦から14億5000万㌦にそれぞれ増大した。

 消費財の輸入も昨年同期比0・9%増で、今年初めて増加に転じた。消費心理の改善により、布製バッグ(45%)、携帯ゲーム機(41%)などが高い増加率を見せた。資本財の輸入は船舶部品(60%増)、個別半導体素子(37%増)、半導体製造装置(33%増)などの輸出向け部品や装置の輸入が増え、輸入減少率が16・1%に低下した。

 11月は輸出と輸入がともに増加傾向に転換すると予想される。昨年は11月から世界的に金融危機が本格化し、輸出と輸入が大きく減少したため、昨年との比較では、輸出入の増加率が相対的に高くなることが確実だ。特に、輸出入の増加傾向は景気回復への期待を高めている。物流基準でみると、今年の世界の交易量は10%ほど減少する見込みだが、韓国の交易は拡大しており、貿易面での躍進が続くと見られる。