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2009/12/11

<韓国経済>韓国政府・「起業ブーム」で景気回復

  • 韓国政府・「起業ブーム」で景気回復

    韓国政府は環境などグリーン技術分野でベンチャー企業を育成する(海上風力発電施設)

 韓国政府は「第2の起業ブーム」を起こし、次世代の有望企業を支援する方針だ。中小企業庁はこのほど、2012年までにベンチャー企業1万社を育成し、20万人の雇用を創出する内容の「第2期ベンチャー企業育成対策」を発表した。第1期のブームは情報技術(IT)産業が中心となったが、第2期は環境などグリーン技術産業が先導する見通しだ。

 洪錫禹(ホン・ウソク)・中小企業庁長はソウル・汝矣島(ヨイド)の中小企業中央会で第2期ベンチャー企業育成対策を発表し、「第1期起業ブームは情報通信産業が原動力となったが、第2期はグリーン技術をベンチャーの新成長動力として活用する」と述べた。具体的には、2013年までに1000社余りのグリーン技術専門企業を発掘・育成する計画だ。

 このため政府は今月中に商用化の可能性が高く、輸入代替効果が認められる部品・素材50品目と、117件の技術を中小・ベンチャー企業型の有望分野に指定する。このなかには太陽光、風力、バイオエネルギーなどの新・再生エネルギー46分野、LED(発光ダイオード)やグリーンITなど、エネルギー効率の向上が見込まれる44分野と、廃棄物のエネルギー化・資源化など環境対応27分野も含まれる。

 新・再生エネルギーなどグリーン技術の商用化に対するR&D(研究開発)を支援するための予算を今年の489億ウォンから2013年には2000億ウォンに拡大する計画だ。また、ベンチャー企業への投資を誘導するため、2012年までに総額3兆5000億ウォン規模のベンチャー向けファンドを設立するほか、民間ファンドが自主的にベンチャーへの投資ができるよう出資規制や審査基準を大幅に緩和する方針だ。また大学と保険会社がベンチャーファンドへの出資を拡大できるよう私立学校法と保険業法の改正も推進する。

 さらに、これまでベンチャー企業に対する金融支援が融資中心に実施されてきたことの反省から、今後はベンチャーキャピタルなどがベンチャー企業に直接投資できる環境づくりに努める。

 具体的には、ベンチャーキャピタルが技術保証基金発行の技術評価保証書を担保に保証額の2倍以上をベンチャー企業の社債(CB、BW)などに投資できるよう「保証連係型の投資制度」を来年3月までに施行する。これまでベンチャーキャピタルはベンチャー企業が失敗した場合の損失を全て背負っていたため、ベンチャーへの投資に及び腰だった。今後、新制度の施行でベンチャーキャピタルと技術保証基金が利益とリスクを共有することになり、ベンチャー企業への投資負担も軽減する。李明博政権の経済政策は大企業寄りとの見方が多かったが、今回の対策は中小ベンチャー企業に対する政府の意気込みを感じるものだとの評価も出ている。来年は現政権の中間評価ともいえる地方選挙があり、争点は雇用になるのは必至だ。韓国ベンチャー企業協会は「大企業を除くと、ベンチャー企業の雇用創出能力は一般の中小企業より2~3倍高いため、現政権は選挙対策としてもベンチャー育成が有効だと判断したようだ」と分析した。