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2009/04/17

<韓国経済>ソウル市・「産業ニュータウン」造成へ

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 ソウル市が2017年までに、地域別に特定の産業を活性化させる「産業ニュータウン」を、市内30カ所に造成する一大プロジェクトを発表した。市内の25自治区で、IT(情報技術)や金融、バイオテクノロジー、デザインなどの分野に特化した産業を集中的に育成する。これによって、鍾路は貴金属タウン、汝矣島は東北アジアの金融センター、瑞草区の良才はR&D(研究開発)センターに、それぞれ生まれ変わる。経済効果は7兆3000億ウォンに及ぶと予想され、景気回復への期待も高まっている。

 ソウル市は第1段階として2012年までに、産業ニュータウン30カ所を指定する計画で、このほど6地区が1次ニュータウン候補に選ばれた。それによると、城東区の聖水はIT(情報技術)とBT(バイオテクノロジー)の研究センター、麻浦はデザイン街、鍾路は貴金属タウン、瑞草区の良才はR&D(研究開発)センター、汝矣島と中区は金融・文化の複合タウンに、それぞれ生まれ変わる。

 来年は第2段階として、6~10カ所が産業ニュータウンに指定される。中浪区は衣類ファッション、恩平は食品製造、江北は縫製・繊維、江西はIT、道峰は繊維や飲食、城北はIT、九老はITと先端製造、衿川はITなどというように、それぞれの街の役割が決められる予定だ。

 ソウル市は産業ニュータウンに指定された地区に対して、建物の容積率や建ぺい率、高さ制限など各種の規制を緩和する。また、地区ごとに1000~1500億ウォンを投資し、拠点となる中核施設の建設や、道路の拡張、インフラ整備などを積極的に支援する。

 今回、1次候補に指定された聖水、麻浦、鍾路の3地区には計1873億ウォンを投じ、中核施設の建設を急ぐ。聖水洞(79万8611平方㍍)には先端ITセンター、麻浦区の西橋洞(77万8285平方㍍)には新進デザイナーの創業支援センターと展示施設などが建てられる。また、貴金属商が密集する鍾路3街一帯(12万5180平方㍍)には、ジュエリービジネスパークが造成される。

 このほか、東北アジアの金融拠点となる汝矣島には、世界のエンターテインメントを誘致する公演場や展示館が建設される。

 プロジェクトが完了する17年までの経済効果は7兆3000億ウォンに達し、雇用創出効果も7万2000人におよぶと推定され、産業界でも景気回復への期待が高まっている。