ここから本文です

2010/01/08

<韓国経済>現代・起亜グループ、世界販売目標540万台に設定

  • 現代・起亜グループ、世界販売目標540万台に設定

    鄭夢九会長は仕事始めで「グローバルトップ企業への飛躍」を今年の経営目標に掲げた(ソウル本社)

 現代・起亜(ヒョンデ・キア)自動車は2010年の世界販売目標を昨年の実績見込み比で16%増となる540万台(現代346万台、起亜194万台)に設定すると発表した。世界の自動車市場が低迷するなか、韓国の完成車メーカー5社は昨年、前年比1・9%増の544台を販売するなど好調だった。今年も現代・起亜自を中心に欧米地域と中国などの新興国市場を攻略し、世界シェアの拡大を図る。

 現代起亜自動車の鄭夢九(チョン・モング)会長は4日、ソウル良才洞の本社で開いた仕事始めで、主要経営課題として、▽グローバル経営体制の強化▽製鉄事業の成功と競争力の確保▽顧客を尊重する経営▽持続的な投資拡大と雇用創出▽先進労使文化の定着などを挙げた。

 現代が欧州のチェコ、起亜がジョージア州で昨秋にそれぞれ新工場を稼働しており、現地生産により欧米への出荷を拡大する。昨年、過去最大の81万台を販売した中国をはじめとする新興国市場の成長に伴う販売増にも期待している。

 現代は今年、米市場で新型のセダン「ソナタ」を販売するほか、起亜も中国市場で小型車「ソウル」を販売する。有望市場に主力車種を集中投入する戦略だ。

 現代は昨年、前年比11・6%増の310万6762台(輸出240万4090台、国内70万2672台)を販売し、創業以来初の300万台突破を達成した。起亜も前年比9・6%増の153万4994台(輸出112万2242台、国内41万2752台)を売り上げた。両社合計は464万1756台(前年比11%増)で、米フォードを抜いて5位となることが確実だ。

 また、鄭会長は「世界の自動車市場は再編時期を迎え、過酷な変化と競争の激化が予想される」と述べ、環境対応技術で他社との差別化を図る考えも示した。低炭素・高効率エンジンの開発や、ハイブリッド車の本格量産でエコカー市場を拡大する一方で、電気自動車や燃料電池自動車の技術開発にも力を注ぐ。

 韓国自動車業界によると、完成車メーカー5社の昨年販売実績は国内138万6089台、輸出405万9174台で、合計544万5263台(前年比1・9%増)を記録した。輸出は世界不況の影響で前年比3・3%減だが、国内販売が税制支援や新車効果で21・0%増と好調だった。

 新車販売で優位に立っている現代・起亜の国内シェアは過去最高の80・5%で他社を圧倒した。ルノーサムスンは9・6%で、GM大宇(テウ)は8・3%。長期にわたる労組のストライキで生産が中断した双竜(サンヨン)自動車は1・6%にとどまった。

 現代・起亜自の新型ソナタは昨年9月の販売以降、毎月1万5000台が売り上げ、計6万1345台が販売された。モーニング(10万2082台)、サンタフェ(5万8324台)、ポルテ(5万1374台)などの新車もベストセラーのトップ10に入った。老朽車を買い替える際に適用される税制支援も同社のシェアを押し上げた。