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2010/07/02

<韓国経済>65社対象に構造調整・再建可能な38社は正常化推進

  • 65社対象に構造調整・再建可能な38社は正常化推進

    支援対象を李・ウリ銀行長が発表(右から2人目)

 金融監督当局と債権金融機関が経営難に陥った企業の構造調整に着手した。昨年に続き2年連続となり、上場16企業を含む65の大企業がワークアウト(企業財務構造改善作業)や企業整理手続きに入る。これらの企業に対する金融機関の与信額は計16兆7000億ウォンにのぼる。

 債権団(ウリ銀行=幹事行、国民銀行、新韓銀行、産業銀行、ハナ銀行、農協)はこのほど、与信額500億ウォン以上の大企業1985社に対する信用リスク評価の結果、計65社を構造調整の対象に確定したことを明らかにした。

このうち38社がワークアウト対象のCランク、残り27社が企業整理または法定管理対象のDランクとなった。

 施工能力基準の上位300位圏の建設会社の場合、およそ50位圏に入る碧山建設(ビョクサン、2009年度26位)、新東亜建設(シントンア、同31位)、南光土建(ナムグァン、同38位)、韓一建設(ハニル、同39位)、中央建設(チュンアン、同59位)の5社をはじめ、第一(チェイル)建設、漢拏(ハルラ)住宅、星宇(ソンウ)綜合建設、青丘(チョング)を合わせた計9社がCランクと評価された。

 資金支援の中断が決まったDランクは星志(ソンジ)建設、プンソン住宅、金光(クムグァン)企業、クムグァン建業、ナムジン建設、チンソン土建、テソン建設の7社にのぼる。

 造船会社については、Cランク1社、Dランク2社が新たに加えられた。海運会社では、Cランク1社のみの追加となった。

 金融当局関係者は、「景気が上向いている時が構造調整を実施する適正な時期だと判断した」と説明した。

 昨年は建設、造船、海運の3業種および一般の大企業から計79社が構造調整の対象に選定されたが、今年もほぼ同水準となった。

 これについて市場では、強力な構造調整を推し進める意向と受け止めている。

債権銀行の関係者は「現在進行中か、または今後予定されている大型プロジェクトに問題がないか、キャッシュフローが十分であるかなどを重点的に評価した」と説明した。

 債権団はCランク企業に対して「ワークアウトを通じた早期正常化を推進する」と強調したが、資金支援が中断されるDランク企業は、独力で経営正常化を図り、企業再生の手続きを進めなければならない。

 一時的な流動性困難に陥っているBランクの建設会社に対しては、貸主団協約の運営期限を8月まで延長し、金融機関への債務償還が最大2年間猶予される。

また、構造調整対象企業の協力会社のうち、一時的な流動性不足の企業に対しては、中小企業に対する「迅速支援プログラム」が優先的に適用される。

 金融当局関係者は「構造調整の推進による金融機関の引当金積立額は3兆ウォン水準であり、金融機関の健全性などに及ぼす影響は制限的だ」と説明している。ただし、銀行のBIS基準の自己資本比率(8%)は約0・21ポイント下落すると予想されている。

 企業の構造調整について、李鍾輝(イ・ジョンフィ)・ウリ銀行長は「債権銀行は短期的には収益性などの面で負担となる。だが、中長期的に金融システムの安全性を高めるため、厳正に信用リスクを評価した」と述べた。

 債権団は来月から与信額50億ウォン以上の中小企業を対象に、信用リスク評価を実施する計画だ。